クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ロメオとジュリエット(組曲抜粋) アンチェル(59)

2014.04.29 (Tue)
ロメオアンチェル
アンチェル/チェコフィル(59、Supraphon)は鮮烈。
第1・2組曲からストーリー順に10曲。割けんばかりの力感と妙な艶めかしさが印象的。
今ではもっとデリケートで上品な演奏が多いからこんな生々しい演奏は聴けない。

録音はプラハの芸術家の家でのセッション。鮮明なオンマイクがベース。
音が止む時にホールトーンを感じる。音は硬めだがリマスターもよく
ステレオ初期とは思えない。最強音で若干の潰れはあるがほとんど気にならない。
スプラフォンの技術陣は東欧の中ではぴか一。メロディアの技術陣を上回る。

冒頭の「モンタギュー家とキャピュレット家」の「大公の宣誓」の部分は
額の血管がブチ切れそうなド迫力。ささっと通り過ぎるのでなく
音をギリギリ伸ばしていくので心理的な恐怖もある。
「騎士たちの踊り」のパーツもぎらついている。チェコフィルってこんなオケだったのか。
「少女ジュリエット」は綺麗な音だがテンポをぐっと落とし小悪魔的な色香も。
「仮面」はリズム感がよい。刺さる様なアクセントで弾む。
「ロミオとジュリエット」(バルコニーシーン)は弦の美しさが印象的。
しかしなんといってもアンチェルの凄みを感じるのは「タイボルトの死」だ。
低弦のびっくりするようなアタックで始まりスピード感を持って
このオケをドライブ。弦はささくれだち全ての音が鋭利だ。
そして15連打ではじりじり音量を上げるとともに音が凝縮。
ブラスの咆哮とパーカッションが割れんばかりの強奏。
アンチェルの心の闇を感じる。
「二人の別れの前」はじっくりと9分以上の長丁場。
情感が盛り上がるところの強奏はバレエ音楽を離れる。
「ジュリエットの墓の前のロメオ」の弦の切り込みは血が噴き出そう。

組曲から組み換え10曲
計  46:51
演奏  鋭A   録音 87点

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