クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ロメオとジュリエット 全曲 モグレリア(94)

2014.04.27 (Sun)
ロメオモグレリア
モグレリア/ウクライナ国立交響楽団(94、NAXOS)はゆったり。
なじみの薄いコンビによる演奏だが、ウクライナはプロコフィエフの故郷、
指揮者はバレエ専門指揮者となれば納得がいく。
151分と全曲保有盤の中では最長。
このコンビは、ひたすらバレエのための音楽に奉仕する。
テンポの激変はなく、表現はどこまでも平穏。主役は舞台のダンサー。
モグレリアはイギリスのバレエ指揮者でその世界では有名らしい。
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自己主張をしないのはいいが、もう少し躍動感がほくなる。
なお、この指揮者は89年にスロヴァキアのオケでロメオの組曲盤を同じNAXOSで
作っているがそれでは我慢できず5年後に全曲版をいれたということか。
オケの技量には不満はない。

録音はキエフのウクライナ放送コンサートホールでのセッション。
広さを感じかつ量感のある温かみのある音。
EMIのアビーロードスタジオなどよりずっとよい。
各楽器からはやや距離のある録音で瞬発力はなく柔らかい。
やや風呂場的だが、コンセルトヘボウ的ともいえる音響。

演奏は、基本的に刺激の少ないおっとり系。
音質も含めソフトタッチのため穏やかな部分は癒し感満載。

第1幕「決闘の場面」などはテンポも表現も緩いと感じるかもしれない。
「騎士たちの踊り」も誠にゆったり。最初はその温さ、メリハリのなさに
こりゃだめだと思ったがだんだんハマってくると響きの多い雰囲気のある
トーンとともにゆったりした気分になる。刺激と色彩から距離を置くのも悪くない。
アクセントは最後まで追い詰めない。
「バルコニーのシーン」などは夜の帳の中ひっそりとした情感が漂う。
第一幕終結の「愛の踊り」も大袈裟な盛り上がりはせず優しい。
最後はぐっとテンポを落とし夢見る。英国の指揮者らしい抑制。

第2幕に入り「フォークダンス」などは弾み感がイマイチ。
「5組の踊り」はバンダは移動せず柔らか。
「マンドリンの踊り」もギターっぽい音色だがお茶目。
CD2枚目は「乳母」から始まるがもっちり豊かな情感を盛り込む。
ここらの安らぎ感は何とも言えない。
しかし「祭り」でのウキウキ感「タイボルトとマーキュシオ」の場面の緊迫感は
ほんとにない。ま、ここまで聴いてくれば予想できる。
15連発はどんどん速度が遅くなる。
終結に向けては大河のごとく流れる。
ここまで来るとなにか脱力デカダンの匂いまでしてくる。
最後は全てを包むように終わる。

全曲
計 151:09(52トラック)
演奏  A- 録音 90点

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