クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 T・トーマス(97)

2014.04.22 (Tue)
幻想MTT97
T・トーマス/サンフランシスコ交響楽団(97、RCA)は繊細と積極。
この絶妙な同居が聴く者を飽きさせない。トーマスの好調を示す。
単純そうで単純でない彼の音楽。MTTワールド。
2007年の再録音より表現意欲が演奏にストレートに反映されている。

録音はデイヴィス・シンフォニーホールでのセッション。
抜けよくDレンジ広くオーケストラを聴く醍醐味を感じさせる。
フィリップスのようなマス録音ではなく細部を明らかにした音ながら
ぎらぎらや硬質感がないのが素晴らしい。
低域はギュッと引き締められておりもたつかない。

第1楽章は綺麗に始まるが単なるムードでなく棘を持つ。
情熱の部分に入ると動感が増すが単純ではない。音楽は微妙に伸縮し表情は崩れかけ
持ちなおす。それが大袈裟にならない絶妙なバランスで踏みとどまるのはMTT。
彼のセンスは知性的なのだがそれだけにとどまらないものを刻印するから魅力的。

第2楽章のワルツも屈折していてよい。伸びやかの弦は美しいし、
管弦楽のバランスがとてもよい。

第3楽章も惰性で流さず情感を籠める。丹念に表情を織りなす。
テヌートとアクセントを交互に繰り出す。
この楽章をこれだけ聴かせる演奏はそうない。

第4楽章は眩い。ティンパニが相変わらず冴えている。キレがいい。
奏者がいいのか指揮者の指導か。

終楽章もいいテンポ。鐘の音は音程がとれておりチューブラベルかと
思ったが倍音?が鐘っぽい。怒りの日以降も音楽が弾みをつけて前へ前へ突き進む。
ドロドロ感はなく地獄性は薄い。快感すら覚える爽やかさ。
最後はアッチェレで痛快に終わる。

15:48  6:49   17:04  6:36  9:21   計 55:38
演奏  A+   録音 92点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック