クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ロメオとジュリエット(全曲) マゼール(73)

2014.04.07 (Mon)
ロメオマゼールLP
マゼール/クリーヴランド管弦楽団(73、DECCA)は全曲盤の本命。
流麗と洗練の上にロマンティック。表情が生き生きしておりチャーミング。
疾走と安らぎの対比。胸がきゅっとなるかと思うと怒涛の奔流に巻き込まれる。
少し都会的すぎるかもしれないと思うが、現代版のロメオ、と考えれば良い。
クリーヴランド時代のマゼールはつまらないという評もあるが、
手抜きしなければかくも音楽を面白くすることができる指揮者。
私が最初に親しんで愛着を持って聴いていた盤(当時はLP3枚組BOX入)なので
思い入れが強い。しかし、いろんな録音をその後聴いてもこの盤は素晴らしい。
全曲盤で長いが音楽だけで愉しい時を過ごすことができる。

録音はマソニック・オーディトリウムで今でも十分新鮮。
DECCAのメリハリある音づくりがこの曲にマッチしている。
ホールトーンも心地よく、パーカッションは張りがあり、金管は輝く。

演奏は場面ごとに表情がコロコロ変わる。
「導入」の優しさから一転「朝の踊り」のスピード感。
「少女ジュリエット」も凄い速さで駆け抜けるが必死感がないので爽快。
かと思うと「ジュリエットのヴァリエーション」では音楽を伸縮させながら愛らしい。
続く「マーキュシオ」ではまたもやや軽々とした疾走。
とにかく飽きることなく千変万化。
「バルコニーのシーン」以降の高揚は胸が熱くなる。
小澤盤もこの場面は感動的でじりじりひたひたと盛り上げるのに対し、
こちらはより熱い情感をストレートにぶつける。

第2幕の3曲目「5組の踊り」では途中からの行進が右から左に移動する。
これはアバド/ロンドン響でもやっていた。
演奏者が動いているというよりもミキシングで音像を動かしているように聴こえる。
DECCA特有の遊び心。

CD2枚目は「ローレンス僧の庵」から始まるが厳かな中にとろけるような
愛のシーンが音楽で語られる。バレエがなくとも音楽だけでこれほど雄弁なのだ。
その後の街の広場の前進するリズムには舌を巻く。
「タイボルトとマーキュシオ」では15連発の打撃を含めチェリビダッケのライブに
比べると軽いと思ったが、今から振り返るとチェリが異様に重厚だったのだ。
「ロメオとジュリエットの別れ」は最高に切ない。
やはりストーリーを追って音楽を聴いていく全曲盤は悲愴感も強い。
このあとはどんどん不穏の色が濃くなってくる。
そして感動的な終結。
バレエ音楽でこんなに打たれることがあるのだろうか。

全曲
計 140:41
演奏  S   録音 93点

コメント

マゼールの傑作
こんばんは。

これもマゼールの傑作ですね。
録音が良いので、オーケストレーションの美しさが凄い。
リズムはキレが良く、歌うべきところには歌う。
全曲を一気に聴いてしまいました。

マゼールはオケを鳴らすテクニックにおいては本当に凄いと思います。
影の王子様
今は亡き天才マゼールのクリーヴランド時代の傑作ですね。
クールだけどロマンを湛えたこの演奏はプロコフィエフに
ぴったりですね。
忘れられない演奏です。

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