クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ロメオとジュリエット(抜粋) アバド(66)

2014.03.25 (Tue)
ロメオアバドLSO
アバド/ロンドン交響楽団(66、DECCA)は意欲作。
この録音はアバド32歳の時のもので、アバドの正規録音第一号。
今年の1月20日に80歳で亡くなったアバドの録音歴はここから始まった。

この曲の演奏時間はLP片面に収まるよう30分以内だが、組曲にかかわらない
自在な選曲といい、仕掛け見え隠れの演奏といいアバドの拘りがいっぱい。
(もう片面は挑戦的な選曲で「道化師」だ。アバド凄いぞ)
決して優等生でなくチャレンジする若者だったアバドがいる。
この曲はベルリンPOと洗練された再録音があるが、このデビュー盤は好ましい。

録音はキングスウエイホールで左右をいっぱいに広げ
各楽器を明確に捉えたDECCAらしい劇画調の優秀録音。
低域の量感もしっかり。リマスタリングは優秀でヒスは気付かないほど。

演奏は「モンタギュー家とキャピュレット家」から入るが焦ることなく
じっくりと落ち着いた運び。オペラ的なドラマも感じさせる。

「朝の踊り」「諍い」も各楽器をクローズアップしながら面白い味。
大太鼓は鉄板を叩くような不思議な音。

「戦い」は精緻ではなく素朴で武骨な音が響く。土着的ともいえる。
終結ではバーバリスティックに一音一音叩きつける音塊処理が独自。

感心したのは「マンドリンの踊り」をわざわざピックアップして
挿入していること。この曲はロメオの中でもその響きの異質性が面白く
私が全曲盤に惹かれる一つの要素だがアバドはしっかり入れてくれた。
(94年の再録音でも入っている)

続く「踊り」ではトランペットに行進させ左から右に音が移動していく。
ここら辺の処理は誰が考えたのかわからないがDECCAらしい。

そして嬉しいことに茶目っけたっぷりの「オーバード(朝の踊り」を入れる。
なんと愛らしい演奏なのか。

「メイドのダンス」は極めてゆっくりしていてこれでは踊れない。
しかし独特なデカダンの香りを振りまく。

終曲は「タイボルトの死」!肝心の主人公二人の死の前で終わり。
それはともかくここでは荒っぽいが生き生きした演奏が繰り広げられている。

28:45 
演奏  A     録音 89点

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