クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 ミュンシュ(62)

2014.03.13 (Thu)
幻想ミュンシュ1962
ミュンシュ/ボストン交響楽団(62、RCA)は誠に男性的。
音楽が逞しく生成し躍動する。
この指揮者は幻想を何度か録音しているが、
オケも含めた完成度はこれが一番高いのでは。
(同時期のライブ映像もあり、これは荒いがライブの感興が上乗せで壮絶)
演奏時間はほぼ同じだが、オケが粘性を持って陶酔するパリ管に対し、
一本気で豪快に突き進むすのがこの盤。オケの巧さ、厚みではボストンが上だ。
とはいえ多彩な表現ではパリ管も凄い。両方聴いて損はない。

録音はボストンのシンフォニーホールでのセッション。
当時のRCAはいち早くステレオ録音に取り組むなどレヴェルが高かった。
この録音も各種フォーマットで出ているが当方保有の標準CDでも十分聴ける。
ヒスもきついことなく鮮明でここぞという時のボリューム感もある。
マイクは近接していてマス録音というよりステレオ強調型なのは
当時の主流だが中抜けではない。

第1楽章からミュンシュ特有の揺れははっきり刻印。
精緻に揃えるより情動を優先。
完全にミュンシュの中では幻想交響曲は出来上がっている。

第2楽章も骨太のワルツ。熱い音楽。

第3楽章はボストンの弦が意志を持った響き。
それでも金切り声にならず木質で厚みを持つから音楽が真実味を持つ。
後年に沢山出てくる洗練・綺麗な演奏に比べるとずっと素朴な音。

第4楽章の打楽器セクションが巧い。リズム感の良さが出てくるのが
ボストンの伝統だ。左右からティンパニが聴こえステレオ感を盛り上げる。
金管はアメリカンで痛快。これが断頭台へ向かう曲なのかはともかく、
まことに男っぽくかっこいい。

終楽章も胸板の厚い音楽。
えぐりは深いがパリ管のときほどのオドロオドロではない。
もっとスカッとしている。
鐘は勢いよく叩かれる。映像で見ると鐘を逆さにして固定して、奏者が結構必死。
怒りの日の吹奏以降はまさに独壇場。チューバのほかにユーフォニウムが加わる。
音楽がバリバリ前のめり。
左右からティンパニが掛け合う。
(ニールセンの「不滅」の終楽章のティンパニを想起)
オケの底力を発揮。ボストン素晴らしい。

13:56  6:23  14:52  4:24  9:13   計 48:48
演奏  S   録音 88点

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