クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 ドホナーニ(89)

2014.02.04 (Tue)
幻想ドホナーニ
ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団(89、DECCA)は一つの極致。
オケの楽器の美音にのみ依存するのでなく各パート分離独立を果たしたうえで
圧倒的合奏力を見せ付ける。最後の二つの楽章は精緻なままパワーを全開にする。
ミュンシュが熱血ならこちらは冷血の極致。単にクールなだけでなく
言い訳を一切許さないど迫力が最後に待ち受けているからほんとに怖い。

録音はマソニック・オーディトリウムで冷気を含む音響。
マルチマイクで音をピックアップし引き締まった音に。
混濁なく空気感も力感も捉えオーディオ的快感をもたらす超優秀録音。

第1楽章は聴いたことのないような繊細な始まり。
弦のパートは数人なのではないかと思うほど各セクションが透明。
弦のヴィヴラートが儚い思いを表出。
情熱に入っても音は拡散せず各パートが室内楽的に唸る。
アインザッツはビシッと決まりどこまでも清冽な音楽。
そしてこのティンパニだ。ドホナーニ時代のティンパニは、トランジェントが
抜群によく爽快だ。

第2楽章はコルネットのパートを使用。
音はトランペットのようだかしっかり聴こえる。ワルツを踊る弦は綺麗。
ポルタメントもきっちり。
全ての音が分離しでも遊離せずに聴こえるので清々しい。

第3楽章は惚れ惚れする美しさ。
普通の美しさだと眠くなる楽章だが、こんなにキラキラした鮮烈な音だと目が覚める。
雷の音は期待したがここでは抑制的に鳴っている。

第4楽章はいきなり見せ場(聴かせ場)。
左右に分かれた粒立ちのめちゃくちゃいいティンパニ!!
これを待っていた。
マーラーの交響曲第1番のフィナーレで2台のティンパニの役割分担を
見せ付けてくれる数少ない演奏がドホナーニだった。
そしてここでも二人のティンパニストがどの部分をどう叩いているのかがくっきり。
ブラス、弦、その他パーカッションも切れ味抜群。
問答無用の強烈な放射。男だ。

終楽章は更に凄い。図太い推進力で辺りを掃う。
邪魔なものがあるとバズーカでドカン。
鐘はチューブラベル。
怒りの日以降ブラスの吹奏のハーモニーがここまで綺麗に鳴る演奏はあっただろうか。
弦はどんどん弾力性を増す。
ティンパニや大太鼓の皮が鳴るのを克明にとらえた録音もあって快感。
演奏終了後ブラヴォーと快哉を叫びたくなるくらいうれしい演奏。
(なお、この演奏の凄さは一定の音量以上で聴かないとわからないかもしれない)

14:33   6:24   16:46  6:44  9:52   計 54:19
演奏  極S   録音 95点

コメント

こんにちは。
ドホナーニ盤はすばらしいですね。
同じクリーヴランドのマゼール(CBS)もかなり良いですが、線の太さはこちらが上回るかと。
ことに終楽章の質の高さは、「幻想」のセッション録音のなかでピカイチじゃないかと感じます。
ポンコツスクーターさんこんにちは。
同じ思いの方がいて心強いです!
ドホナーニ盤は冷遇されている感もありますが
ここまでできる指揮者がどれくらいいるのでしょうか。
技術力とともに潔い演奏だと思います。

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