クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 クーベリック(81)

2014.01.30 (Thu)
幻想クーベリック
クーベリック/バイエルン放送交響楽団(81、ORFEO)は本番のクーベリックがいる。
また強靭なバイエルンがほんとに凄い。
評判になったマーラーの5番のライブも同じ年の演奏だが、
この頃のこのコンビの演奏はドスとえぐりの効いた迫真の表情を持つ。

録音はミュンヘンのヘラクレスザールでのライブ。
正規の放送音源でアナログながら鮮明によく録れている。
もちろん最新録音のDレンジや低域のヴォリュームはないが。
客席は埋まっており吸音されるが直截的な音がまたいい。
音場や音色もこのホールとこのオケの相性の良さを感じさせる。

第1楽章は遅めのテンポでじっくり入る。対向配置の弦の震えが心の懼れを伝える。
情熱の部分に入っても弦が非常に能弁だ。時にかなり強引なボウイングを見せて
グォングォン鳴る。中盤以降の積極的な緩急はライブのクーベリックを感じる。
かなり振幅の激しい演出の効いた指揮だが、オケのどっしり落ち着いた音が
腰軽にしていない。

第2楽章もかなり情感が入り込むがワルツを壊していない。
ちらちらと焦燥感を見せる。木管の最後の見栄を切る表現など細部に意志を巡らす。

第3楽章は特段変ったことをやるわけではないが、情感が高潮した時の
弦のいきり具合は相当力が入っている。
丹念に聴くとやはりこの指揮者はあちこちで心を爆発させる。
この人実は相当情熱家なのではないか?ぐっと押し殺している。
なお、バイエルンの木管はヴィヴラートが多いがいい音色だと思う。
最後の雷鳴のティンパニは図太い。

第4楽章はこのオケの逞しさを痛感。
スコア自体は案外シンプルな序奏場面で細いスッキリした音を出すオケもあるが、
バイエルンは低域が効いているのでどしッとした印象。
トランペットもいぶし銀でかつ飛び出さないバランスなのでなおさらだ。
終結は大太鼓・金管ではこの放送用音源ですら風圧を感じる。

終楽章は相当えぐい。猟奇的ともいえる。
最初から独特な表情があっちこちに出る。かなりリハーサルしたのだろう。
鐘の音も暗ーいさむーい。
ワンフレーズ毎にアクセントをつける。強固な金管に、ひょろひょろのフルート。
問答無用のトロンボーンの強奏。
終結の怪奇表現とバズーカ連射は圧巻。
加速や音響の混乱で誤魔化さない正真正銘の迫力だ。
この演奏会、生で聴いたらすぐには拍手出来なかったかも。

15:11  6:29  17:00  4:54  10:34   計 54:08
演奏  S   録音 90点

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