クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 ハイティンク(79)

2014.01.19 (Sun)
幻想ハイティンク
ハイティンク/ウィーンフィル(79、DECCA)は絶美。
レヴァイン盤でもこう書いた。
ベルリンとウィーンの違いがこの2枚を聴けばよくわかる。
両方とも絶美なのだが、出てきている音は違う。しかし両者最高。
全集魔だったハイティンクのデジタル移行期の悲劇であまり有名な盤ではない
かもしれないがこれはよい。成功の半分以上はウィーンフィルなのだろうが。

録音はアナログ末期、ウィーンのソフィエンザールでの素晴らしい録音。
マスの雰囲気も残しながら鮮明に焦点があっているDECCA録音の成功事例。
フィリップスの専属だったハイティンクがDECCAでウィーンと組んだ初録音。
この指揮者は録音に恵まれている。

第1楽章が始まるなりひんやり美しい音に魅せられる。
ワンフレーズワンフレーズを大事に過度にならず歌いながら進む。
そこに微妙な影も。そして情熱が吹き出る。
弦に絡むとろけるような金管が美しい。絶妙なコントロールで音楽が上気する。
精緻な演奏なら他にもあるが
これは時折見せる弦・木管の音色が驚くほど素敵なのだ。
ウィーンフィルの美感を最大に出した指揮者の腕に感嘆する。

第2楽章は絶品。ワルツだ。
この弦の表情はなんだ。譜面には記載できない、文字にできないこの芳香。
コルネットが入るがこれまた典雅。

第3楽章のコールアングレに呼応するオーボエの距離感がほんとに遠い。
これはライブではできないのではないか。
その後はソフィエンザールに響く弦の綾を愉しめばよい。

第4楽章はインテンポで明るい。
弦がシルキーで美しすぎるのは場違いかもしれないが仕方ない。

終楽章も大袈裟に崩れない。
鐘が高音と深い低音の合わせ技で厳か。かなり独特の雰囲気だ。
怒りの日以降はチューバや低弦のエグリが凄く
かなりメリハリのある音響になる。DECCA的音作りだ。
大太鼓も効果的。しっかりオドロオドロしく終わる。

15:24  6:18  16:44  4:46  10:16   計 53:28
演奏 S   録音 93点

コメント

ハイティンクは聴きませんが、ウィーン・フィルならば!
と聴いてみましたが、まさしく大当たりでした。

まだベーム存命中のウィーン・フィルは本当に美しいですね。
正直、冗長さで退屈するのが多いこの曲が美しく響きます。

また、この曲の「爆演」系の演奏が嫌いなので、決してガナならないのも
好感が持てます。

S評価だったので、聴いてましたが、感動しました。
ありがとうございました。
影の王子さま
こんにちは。ハイティンクの「幻想」は多分それほど
話題にならなかったのではないでしょうか。
ハイティンクのイメージが激情ベルリオーズと相容れない
ということでしょうね。
しかしこの演奏はウィーンフィルの好演もあって
引き込まれます。
共感していただける方がいて嬉しく思います。

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