クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第8番 クリュイタンス(57)

2014.01.21 (Tue)
ベト全クリュイタンス
クリュイタンス/ベルリンフィル(57、EMI)は柔らかで上品。
全体をインテンポで通しこの曲を丁寧に仕上げる。
ただそれだけならばつまらないのだが、ベルリンフィルの音が味わえる。

録音はグリューネヴァルト教会で響きが美しい。
もちろんステレオ初期のためヒスや古さは感じるがこの教会の美しい音響が
カヴァーしている。近接ではなくシルキーなヴェールをかぶった音だが
この演奏の方向性にあっている。

第1楽章は勢いよりも気品に溢れる。テンポはおっとりだが重くならない
クリュイタンスのベートヴェンに共通したトーン。

私がこの楽章を通して注意を惹きつけられるのはインテンポの中に煌めく木管。
特に主旋律を奏でる弦の陰で涼しく気高く鳴るフルートだ。オーレル・ニコレ。
はっきり言って全く仕掛けをせずにこのテンポでこの楽章を奏されたら
普通は飽きるが、往時のベルリンの名手たちを探して聴いていると時間を忘れる。

第2楽章もとてもチャーミング。

第3楽章はトリオのホルンの古風な音色を味わう。
音楽はとこまでも端正で落ちつく。

終楽章は全奏でやや録音の古さを感じるが演奏自体は典雅。
流動感が強いが、ティンパニがもう少しフィルアップされていれば締まったと思う。
劇的性格は全く強調されずアクセントは弱い。
首尾一貫最初から最後までこれで来たのだ。これでいいのだ。

10:37  3:57  5:03  7:46  計 27:23
演奏  A   録音 86点

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