クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第8番 S・イッセルシュテット(68)

2014.01.05 (Sun)
イッセルシュテット58
S・イッセルシュテット/ウィーンフィル(68、DECCA)は代表盤。
このコンビはウィーンフィルと60年代にベト全集を作ったが
8番だけが突出した評価を得てきた。
多分他の曲は個性の強い演奏を受け入れるのだろうが
この曲はそうではないと思われてきたからではないか。
今ではこの曲にもいろいろなやり方があると分かってきた。
しかし、この演奏はいい。録音もいい。
指揮者の個性はよくわからないが規範といえる盤だ。
この演奏を聴いてから他の演奏を聴くと指揮者の企図が分かる。
しかし、正統の力に小細工はかなわない、と痛感するのもこの盤だ。
強い個性も感じさせず、興奮もさせない。
人の心は常に刺激や変革をを求めているのではないのだ。
真面目で真摯なことは力なのだ。

録音は今はなきソフィエンザール。ここはもともとヘルス・センター(死語?)
だった施設の水を抜き舞踏会場に改装した場所、と解説に書いてあった。
Sofiensaal中

しかし音響は非常によく、チャーミングなウィーンフィルの音が鮮明に聴ける。
こじんまりしているが、清潔な響きだ。帯域も自然で誇張がない。
これは指揮者の息子であるDECCAの録音技師のエリック・スミスが
父親の音楽特性をよくわかっていたから。
なお、同じウィーンフィルとの演奏でもバーンスタインやベームの盤では
ここまでウィーンの音を感じさせない。

第1楽章を聴き始めて、あー懐かしいウィーンの音がすると思った。
弦もそうだが木管はまぎれもなくこのころのウィーン。
そして演奏が自然で安心できる。どこにも不意打ちはなく妙な強調もない。
この演奏の何とも言えない平穏は貴重だ。
テンポも表情も何もかも適切に思われる。

第2楽章も可愛らしい。キュンとなる弦の表情。

第3楽章もアクセントも中庸の美。中間部のたっぷりした歌。
ホルン・低弦・クラリネットなんと長閑。

終楽章も優美さを保ったまま進行。力みや小手先の仕掛けはない。
最後の最後まで古典的な佇まいを壊すことなく微笑みながら終結。

このコンビで他の曲も聴いてみたくなった。

9:55  3:53  5:07  8:01   計 26:56
演奏  A+   録音 91点

コメント

イッセルシュテットの8番
昔からこのイッセルのベートーベン8番は大好きでした。今もLPレコードで真空管アンプで聴いています。いつも幸せになれます❗DECCAのよりもロンドンレコードの国内盤がやたら良いです。ありがとうございます❗
No title
アナログ大好きさま
LP+真空管とは贅沢ですね。
CDになってから昔はこんなに貧弱な音だったかな?
と首を傾げることがあります。
一方リマスターがうまくいきCDのほうが
よくなったものも多数あると思います。
そんな行ったり来たりも趣味の醍醐味でしょうか。

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