クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 クリュイタンス(64)

2013.12.28 (Sat)
幻想クリュイタンス1964
クリュイタンス/パリ音楽音管弦楽団(64、Altus)は色々懐かしい。
前半3楽章までのフランスの香りを運ぶ音色、
後半2つの楽章のバランスなどお構いなしの強奏とテンポ。
今ではこんな演奏はできない。
ブラインドで聴いたらクリュイタンスと絶対に当てることはできない。
この人もこんな凶暴な演奏をするのだ。
前半と後半の人格の分裂は人間の複雑さを思い知る。

録音は来日時の東京文化会館でのライブ。はっきり言って今から見ると貧弱な音。
このホール独自のデッドな音場。ヒスもゴロある。
しかしこの楽団の音色はよく捉えられている。そして演奏が全てを忘れさせる。

第1楽章の「夢」の部分は木管や金管の音色が昔のフランスのそれである。
それだけでセピアが滲む。「情熱」も叩きつけるようなことはない。

第2楽章のワルツもポルタメントが懐かしい。丁寧に綴られる。
テンポは微妙な伸縮が与えられるが典雅な雰囲気。

第3楽章冒頭の木管の掛け合いはライブなので遠近感はない。
その後弦が歌う中、オブリガートのホルンのヴィヴラートはここでしか聴けない。
クリュイタンスの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が頭をよぎる。

第4楽章からこの演奏の印象が変わる。
まずは冒頭の第2ティンパニのむちゃくちゃな乱入。
比較的軽めの音だがシンバルの強打やオフィクレイドのびりびり音など
バランスを構わなくなっている。最後はバシンと終わる。

終楽章はライブらしい前のめり。
ここでの鐘の音程はなんとかならなかったのか?思わず笑い。
怒りの日からは猛然とした勢い。ブラスのハリ、弦のえぐり。
音楽は強烈な暴風雨の感。
フレーズは縦に割られズンズン進み、最後は猛烈なアッチェレランド。
日本の聴衆が熱狂するのは当然。

13:22  6:32  15:29  4:28  8:59   計 48:50
演奏  複   録音 81点

コメント

No title
前半の演奏は美しいが終楽章で爆演になり、
鐘の音程も確かにおかしいです。
これがライブの面白さですね。
クリュイタンス唯一の来日公演の貴重な記録として、
ステレオ録音が残されたことは良かったと思います。
幻想交響曲はパリ音楽院管弦楽団とスタジオ録音して欲しかったですね。
https://youtu.be/0DWjI1uLSzw
No title
クリュイタンスというのは
なんとなく温和なイメージがあり
ベートーヴェンだと「田園」など
偶数番号が評価されていたような記憶が
ありますが、実演で燃える人だったのでしょうか。

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