クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 レヴァイン(90)

2013.12.27 (Fri)
幻想レヴァイン
レヴァイン/ベルリンフィル(90、DG)は絶美。これには参りました。
レヴァインを豪快ヤンキーと思っていたこともあるが悔い改める。
弱音をここまで突き詰めて活かした演奏はないのではないか。
儚げな音に情感を潜ませる。
超高級車に乗ったような快感を感じる。

録音はベルリン・イエスキリスト教会の最高の録音。
この録音を聴くとフィルハーモニーの音はなんと大雑把なのだと思う。
ずっとここで録音してほしい。なんという綺麗な響き。
カラヤンが60年代に録音したシベリウスを思い出すひんやりシルキー。

第1楽章の数小節を聴いただけで惹きつけられた。
滴り落ちるような艶を持った音が肌(耳)を撫でる。
そっと密やかな思いを打ち明けるようなデリケートな表情。
レヴァインはこんな繊細な音を出したっけ?
抑制された音が続く。意識がまどろむ。
情熱に入ってからも音を慈しみ歌う。
実力あるオケが力まないで余裕で音を出すのでとても落ち着ける。
どこか夢心地で地に足がつかずふわりトロリの感触。
終結部も金管を抑制して弦に語らせる。
最後の恋人の主題もロマンティック。

第2楽章のワルツはなんという洗練だろうか。
レガート気味でアクセントは軽やかに踏まれる。
とろけんばかりの滑らかさ。各フレーズに指揮者の思いがこもる。

第3楽章冒頭の管の掛け合いは空間の響きの美しさに酔う。
その後の弦も弱音の美しさを誇示する。ハーモニーは絶妙で突出しない。

第4楽章は極めて落ち着いた端正な行進。
レヴァインだからぶっ飛ばしてやってくれるだろうと思っていると肩透かしを食らう。
ベルリンという最高の楽器を駆使し余裕をかます憎らしさ。
金管中心に浮き上がらないのは鋼の弦が土台を作っているから。

終楽章も細心の注意を払っている。勢いに任せない。
しかしこの鐘の音は何だ。この繊細な演奏にはチューブラベルの方が
よいのではないかと思うが、やや辛気臭い鐘。
ロンドに入ると多彩な表情が聴きとれる。
低弦のブルブル音、コルレーニョの揃い方、ブラスの艶。
熱狂を追いかけるとこの演奏では物足りないが、
管弦楽の技術と音響をとことん利用したこの演奏には鳥肌が立った。

16:00  6:05  16:29  7:12  10:00   計 55:46
演奏  美S   録音 95点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック