クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルリオーズ 幻想交響曲 クレンペラー(63)

2013.12.23 (Mon)
幻想クレンペラー
クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(63、EMI)はやはり独自の宇宙。
この演奏をさして、淡々としているとかドイツ的とか、クレンペラー一般的な
形容は当たらない。そんな単純なものではない。

録音はキングスウェイホール。音場は広くないが、スタジオ特有の詰まる感じもない。
左右のはっきりした鮮明さがある。弦は強奏でやや硬調ながら木質感があり
管楽器など奥行きもある。聴取盤は92年のオランダ盤でくっきりしている分
ヒスもある。ヒスを少なくして全体をマイルドにしたリマスターもあるかもしれない。

第1楽章は冒頭から独特。さあ物語が時始まりますよ、と呼びかけ対抗配置の弦による
切ない歌が開始。極めてロマンティックだ。
遅いテンポで、ポツリポツリとした語りは不思議な世界へ誘う。
テンポは自在に変化し、強弱にも抜かりない配慮。
勢いの熱狂ではないが、高熱でジリシリとした夢を見てる気持ち悪さは
よく出ている。

第2楽章冒頭の弦の刻みとハープの対決がいきなり面白い。
ぎこちないダンスだがコルネットの投入と相まって狂気が忍び寄っている。

第3楽章のこの暗闇な空気感はなんだ。
18分かけた遅いテンポの中に音が置かれる。野の風景にしても寂しすぎる。
弦のザクっとした肌触りがまた独特。

第4楽章も興奮せずに各楽器をよく鳴らずため情報量がとてつもなく多い。
無表情で進み非情を極める。

終楽章もささくれ立った音がポキポキそそり立つ。
音は細身ではなく図太く存在感を持つ。熱狂なき凶暴さ。
怒りの日のテーマのトロンボーンがここまで無慈悲に奏されることはない。
最後は音の洪水の中テンポが混乱しながら終わる。


16:21  6:41  18:10  5:05  10:45  計 57:02
演奏  宙   録音 87点

コメント

安曇野のカラヤンさん
明けましておめでとうございます。幻想交響曲がリスト入り楽しみにしております。
「またか」と思われるかもしれませんが、2013再発のシルヴェストリ盤です。これまでの復刻と異なりリマスタリングの結果素晴らしい音になりました。パリ音楽院のオケの幻想の録音が少ないのを納得しました。一聴あれ?!
北の火薬庫様
あけましておめでとうございます。
シルヴェストリの幻想は探してみましたが保有していません。
新しいこの指揮者のBOXに入っていますね。
ン~、その他のはほとんど持っていますなあ(汗)
幻想は凄い曲だけに世の中に一体どれほどの記録が
あることやら
ぼちぼち探してみます
ありゃま。EMIの再発シリーズに入っていませんね。山野楽器の再発のマスタリングが全然だめです。たしかに幻想にはたくさんのCDがあるので関係ないかもしれませんね。ボックス一つ買うほどのものでもないことも確かです。
レヴァイン、クーベリック、ドホナーニと中古で手に入れ聞きました。幻想には幅があるのが当たり前として、時代を考えるとびっくりの演奏も存在します。時代からの名盤の最右翼は、ハルサイでのスイトナーの名演でしょう。これ相当するくらいの演奏に思えてきました。やはり新マスタリングで、シルベストリらしい猟奇的な音のオンパレードを聞いてほしいと思います。
北の火薬庫様
シルヴェストリ、そこまでですか!
山野楽器盤は見るのですが・・・。
探しますね。

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