クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番 ベルグルンド(75)

2013.10.12 (Sat)
ショスベルグルンド5
ベルグルンド/ボーンマス交響楽団(75、EMI)は独自の行き方。
この曲に潜むリリシズムを丁寧に紡いで見せる。
劇性は少ないが、浅いといわれるこの曲を別の視点で見せてくれる演奏。
有名ではないが、新たな発見をもたらす演奏。

録音はアビーロードスタジオでよって低域は薄い。
ただし、静かな部分では弦が美しく不満がない。
少しラウド気味に再生すると立体感が出る。

第1楽章冒頭から静謐を感じさせる演奏。
バーンスタインの物々しさとは全く違う。
単に脱力でなく目指す方向が端から違うという意志がある。
ショスタコーヴィッチに潜む北欧の要素を抽出して見せたよう。
中盤に差し掛かり盛り上がりを見せるが決して煽りたてることない。
ブラス群がバリバリと次々に起立する場面は壮観でもある。
それが終わると何とも言えない癒しの音楽。
スウェーデンの作曲家ラーションのヒンヤリした音楽と突然交錯した。

第2楽章も清潔に仕上げる。
今度はまたもやスェーデンのダグ・ウィレン(ヴィレーン)の
セレナードが到来した。シンプルなおどけてこわばった表情が似ている。
低域をあまり強奏させないのですっきり感がある。

第3楽章前半のフルートソロや弦のかすれた音は雰囲気がある。
しかし、綺麗ごとで終わらせない力感も表出する。
こうした点がこの演奏に深みを与えている。
ゆったりしたテンポで金切り声をあげることなく細かい動機を浮き上がらせる。
今まで聞いたことのないような音楽。ここでも弦の綾が素晴らしい。

終楽章は落ち着いた足取りで淡々と進める。
第1楽章から聴いてきてこの楽章では音楽が突然変異を起こして
しまったという印象。音は大きいのだがなにか上の空。
よってここでも中間部が見せ場聴き場となる。
べとつかない爽やかな情緒を持ちこむ。
絞り出すような終結は独自の感動をもたらす。

17:33  5:29  15:54  10:55   計 49:51
演奏 謐A+   録音 87点

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