クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ショスタコーヴィッチ 交響曲第10番 シップウェイ(95)

2013.08.27 (Tue)
ショスタコシップウェイ
シップウェイ/ロイヤルフィル(95、RPO)は録音も含めると最高峰。
これが廉価盤なのだから恐れ入る。
カラヤンに訓練を受けたこともあるこの英国の指揮者は師とは違って
派手なパフォーマンスはしないので知名度は低いが実力はピカ一。
録音が少ないのがほんとに残念だ。
シップウェイ
録音はC.T.Sスタジオでのセッションだが、
カラヤン盤を凌ぐこの曲で最高の録音。
抜けよく低域から高域まで適度にブレンドしながら生々しい。
奥行き立体感も申し分ない。
なぜ、メジャーレーベルでこのような録音ができないのか。
E〇Iがこのセンスなら、せっかくの名演が正当な評価を得られたのに・・・。
結局われわれはCDの再生音で感動を受け取るので録音も含めた鑑賞なのだ。
CTSstudio.jpg
第1楽章の深い音からこれは凄いという気配。音が張っている。
美しさと恐怖を並置しながら進行。
内側から隆起し今にも張り裂けんばかりの緊張感。
録音のDレンジの広大さとともにオケのそれも大きい。
LPOの金管群の凄さは定評があるが弦も素晴らしい。
音楽の表情が絶妙な多面性を持つので飽きさせない。
シップウェイはむき出しの表情は作らないが、
時に意志を込めて弦を唸らせる、呼吸の間をとる。
それはこの楽章の終結部に象徴して現れる。

第2楽章はカラヤン盤と同じテンポ感。
ベルリンフィルの低弦の威力には負けるが高弦の渦巻く表情と
ブラスの威力はこちらが上。
全体では、カラヤン盤の凄みが忘れられないが。

第3楽章はホルンのジェフリー・ブライアントだ。
マーラーの5番の3楽章でもバリバリ吹きまくっていたが
ここでもやってくれている。この人、オケの中で目立つような吹き方は
良くないと弟子に教えているようだが、目茶目茶目立ってます。
繰返し現れるDSCH音型だが、8:55からの盛り上がりで出てくる
ホルンの「ミーラーミーレラー」の音は突き抜けている。
(↓Jeffrey Bryant やりすぎ?)
Jeffrey Bryant

終楽章序奏の空間に響く木管に吸い込まれる。
この指揮者は抒情表現の間合いが憎いほど上手い。
アレグロに入ってRPOの合奏力は素晴らしい。
へたすると暴れ馬のようなオケだが指揮者がいいと最高の技術力を見せ付ける。
大太鼓とシンバルで軍隊調のリズムを刻む場面がしっかり捉えられているのも
指揮者の指示だ。終結にはホルンのが必死の形相でDSCH音型を差し込むが、
それをなぎ倒し嘲笑うように終わる。
サーカスのような終結の意味をこの演奏では感じ取ることができる。

22:26  4:04  11:33  13:33   計 51:36
演奏  S    録音 95点

コメント

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理者のみに表示

トラックバック