クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ショスタコーヴィッチ 交響曲第10番 カラヤン(69)

2013.08.18 (Sun)
カラヤンinロシア
カラヤン/ベルリンフィル(69、ARS NOVA)は歴史的演奏。
カラヤンはウィーンフィルと1962年にソ連で公演をしているが、
これは69年に手兵と再訪した時の記録。
カラヤン得意のチャイコフスキーでなく唯一ショスタコーヴィッチの
この曲をロシア物としてひっさげて演奏した。
これを客席で聴いた作曲者は終了後壇上に上がった。
「何も言えないけれども、でも…」と作曲者は語ったらしい。
意味深だ。
karajan russia

演奏は洗練を土台に激しさではDG盤を上回る。

録音は5月29日のモスクワ音楽院大ホールでのライブ。
思っていたより聴きやすい。響きは多めで、低域がブーストされた感があるので
リマスターで調整している可能性あり。
なお、ブチブチノイズが入る。
この後メロディアからもこの演奏がでているが未聴。
ソ連なので客席はうるさい。なお、このホールでベルリンフィルを聴くと
ロシアのオケのように聴こえる。独特の響き、録音。

第1楽章は基本はDG盤と同じなのだろうが、全てに力が入っているよう。
ドラやスネアドラムの叩きっぷり、金管の吠え方はやはりライブっぽい。
敵陣に乗り込み目に物言わせてやろうという意識があったのだろう。
テクニックのみならず音量でも西側の優位を暗に示す気迫を感じる。
弦の表情もセッションより積極的だ。

第2楽章は低弦がモコモコしているのが残念だが太鼓は尋常でない叩き方。
全体の楽器のバランスは崩れて凶暴に傾く。
にもかかわらずアンサンブルが鉄壁。

第3楽章は前半に入念に歌われるが7分過ぎからの舞踏は殺気立つ。
打楽器群のパンチが凄く、銃撃砲撃されているような錯覚に陥り
それが聴衆に嫌な思い出を想起させ、心理的圧迫を加える。

終楽章テーマがじっくり時間をかけて呈示された後の高速回転。
この対比がカラヤンの演奏の特色。
終結部の異様さはライブらしい。聴衆のブラヴォーは熱い。
録音を除けば独特の雰囲気を持ったこの演奏は格別だ。

23:01  4:03  12:02  13:43   計 52:49
演奏  貴   録音 83点

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