クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ショスタコーヴィッチ 交響曲第10番 ムラヴィンスキー(76)

2013.08.12 (Mon)
ショスタコ選集ムラヴィンスキー
ムラヴィンスキー/レニングラードフィル(76、Melodiya)は真剣勝負の凄み。
1953年の初演以来何度も手掛けてきた曲。でも手を抜かない。

録音はレニングラード音楽院大ホールでの3月3日のライブ。
咳ばらいがあちこちで入る。真正ライブだからやむをえないが
残念な個所でも平気で入る。日本人ならもう少し我慢するはず。
なお、この時期のソ連のライブ録音としては優秀な方で聴きやすい。

第1楽章の深刻さはやはり西側のムードと違う。
同時代者の同胞共感に溢れた鋭さ。覆いかぶさる金管。
ここにはもだえ苦しむ様子が直截に現れる。
しかし、ふとカラヤンを思い出す。あの平然とした音とこちらの苦渋の音。
どちらが怖いのか。
とはいえ、真摯な雰囲気と情念の表出は流石。

第2楽章の切れ味、快速ぶりは流石なのだがカラヤン盤の録音の良さに
アドヴァンテージ。

第3楽章では重要なDSCH音型でホルンの音の揺れが気になる。
不安の表れを演出したのか?とにかく意味深な切迫した音楽。

終楽章は不穏な空気と一陣の疾風の後、不思議な軽妙さ。
レニングラードが高速回転する。
ピークで銅鑼が全てをぶち壊した後、強靭な鋼のような音が蘇り
アクセントを効かせながらゴールする様は圧巻。

傑作とされるが、不思議な交響曲である10番。
その不思議さに意味を持たせずあっけらかんとやっつけてしまうカラヤンに
対しムラヴィンスキーには何か知っているようなストーリーを感じる。

22:03  3:58  10:55  11:07   計 48:03
演奏  A(+)   録音 84点

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