クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ 交響曲第3番 ウェラー(77)

2013.07.15 (Mon)
プロコフィエフウェラー全集
ウェラー/ロンドンフィル(77、DECCA)は予想外の壮演。
およそヴァイオリンの神童で若くしてウィーンフィルのコンマスに抜擢された
ウェラーがこの曲をこんな風に振るなんて思ってもみなかった。
よっぽど、何か溜まっていたのではないかと思われるほどの迫力。
そして積極的に演出する。
この演奏を聴いてウェラーという指揮者の見方が変わってしまった。

そしてこの盤のもう一つの立役者は録音だ。
録音はキングスウェイホールで低域から量感たっぷりのデッカらしい音づくり。
メリハリのある音は劇画的。それでいてわざとらしくない。
Dレンジは恐ろしく広く空気の振動が伝わる。
この曲の音響的な大切さを感じる。
テンシュテットがこのオケとマーラーの全集を同時期に録音しているが、
録音がデッカだったら私の評価は変わっていただろう。
アナログ期の辿りついた高出力録音。

第1楽章は伸びやかさとおどろおどろしさを持つ。
淀みないテンポで低域がもぞもぞと動きながら主題が滑るように奏でられる。
楽章後半からはテンポを速め緊迫感を高めバーバリスティックな爆発を見せる。
ロンドンフィルが全開だ。

第2楽章は一転どの演奏よりもテンポを落とし、じっとりと湿度の高い夜。

第3楽章は最初のスピードと叩きつけるようなアクセントの激しさに驚く。
中間部はテンポを落とすが
終結は冒頭のパッセージが戻り恐ろしいことを予感させてなだれ込む。

終楽章はマッシブな迫力に満たされる。
とにかく抜けの良いパーカッションの強打音には開いた口が塞がらない。
終結部は突進ののちばったり倒れる。

この曲の音響的快感の極致を味わうことになる。

12:48  8:44  8:17  6:08   計 35:57
演奏  A+   録音 94点
 

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