クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴィヴァルディ 四季 アレッサンドリーニ(02)

2013.04.14 (Sun)
アレッサンドリーニ
アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノ(02,opus111)は繊細と大胆。
そして恐ろしい。
音楽的な美しさをまきちらしながら多彩なドラマを展開。
単なる興味本位的面白さを越えた説得力。
特に夏の表現は本来のこの曲が持っていた枠を超えた宇宙。
ヴァイオリンの大御所に依存した演奏ではなく、鬼才アレッサンドリーニの勝利。
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録音はローマ、ムジカ・サクラでとでも新鮮な音がする。
響きも美しく文句なし。

春のフレッシュな息吹は素晴らしい。リズムの良さが最大のポイント。
軽やかで喜びと自然の息吹。
しかし、これからこの演奏がどんな展開をするのか・・・知る由もなし。

夏に入ると突如風景が激変。ある意味この演奏の白眉。
まず最初のアレグロ楽章に7分かけた盤はほかにない。
序奏のテンポは止まりそうに遅く精神的な緊張を強いる。
じりじりしているが、暑い温度の表象でなく心象風景。
その後のテンポの切り替えは不連続的。
この演奏を聴いたときにシューマンの交響曲第2番のアダージョを思い出した。
決して単純なアレグロではない。アダージョとプレストのつぎはぎ。
心がもてあそばれる。
そして第2楽章のアダージョは更に刺さる。内面に切り込む。
一転終楽章のプレストのビートの効き方は半端でない。唖然。

秋は第1楽章の酔っ払いの様子が面白いが、なぜか寂しげな風情も含む。
そうこうしていると第2楽章でぐっとテンポを落としぽっかり口を開けた
暗黒の世界にスローモーションで落ちていくような景色が展開。
ヴィヴァルディの「四季」を聴いてこんな恐ろしい目に遭遇するとは
誰も思わないだろう。
終楽章はバスのドスが効く。

冬の冒頭はまたもや怪奇。クラクラ目眩がするよう。
第2楽章はホッと温もりを感じる。
終楽章は低弦の持続音が何かを訴えかけながらも、ソロが歌い舞う。
この二重構造は意味深。そして最後はそっと消える。

このCDは四季のみ収録で完結させている。
これは正解だ。
何か幻覚でも見ているような衝撃をそのままにしておいてくれる。

10:11  12:14  12:25  9:34   計 44:24
演奏   S  録音 95点

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