クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴィヴァルディ 四季 アーヨ/イムジチ(59)

2013.04.07 (Sun)
アーヨ
アーヨ/イ・ムジチ(59、Philips)はシニア層にとってはバイブル的演奏。
1952年聖チェチーリア音楽院の卒業生によって結集された若き集団の
2回目の録音(初ステレオ)。
ともかく、音楽の教科書には「四季」が載り、
授業で聴くLPはこのアーヨ盤。
アーヨ写真

教養ある家庭にはクラシックといえばこの盤が真っ先に揃えられた。
従ってこの盤を今更評価しようもないのだが、いろいろ考えさせられる。
バロックといえばこの盤を教え込まれたが音楽の歴史的考証が進んだ今では
この演奏は正統とは言えないかもしれない。
しかし当時は皆この演奏を絶賛し酔った。それでいいのだろう。
この後、それこそあらゆる実験がなされ強烈な刺激を受けてきたこの曲は、
そんな嵐にも耐えうる名曲なのだ、と思う。
そして、聴き手には、「演奏」でこれほどまでに曲が
変わるという体験をさせた最大の曲はないだろうか。
その出発点がこの盤だ。
また、人間の音楽体験におけるインプリンティングの強さ、
を感じさせたのもこの盤。
いろんなことが去来する。

録音はウィーンで行われたっぷりした量感を持つ。
リマスターもよくヒスなどほとんどない。低域が厚く落ち着ける。
現在聴くと鮮烈な音響ではないが素晴らしい音。

春が始まるとこんなにルバートの効いた演奏だったんだと驚く。
表情はおっとりたおやか。チェンバロは目立たない。
テンポは遅く分厚い響きが包む。

夏も過度な表現はなく嵐も和やか。

秋のアレグロなど聴くとこんなに重かったのかと思う。

冬の第1楽章は全く妥当なテンポ感。
合奏の精度はほどほどながらこの楽章だけで一つの物語が完結している。
しかし全て通して聴いてみて特別なことをしない美しさを感じる。
いい意味でBGMに使える。

11:24  10:33  12:13  12:21   計 46:31
演奏  A  録音 90点

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