クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

W・シューマン 交響曲第3番 バーンスタイン(60)

2013.03.03 (Sun)
wschuman_bernstein.jpg (←LP盤 CD盤→) wschuman3cd.jpg
バーンスタイン/ニューヨークフィル(60、SONY)は私の愛する超名盤。
まず曲が素晴らしく、演奏がその魅力を120%表出。

ウィリアム・シューマン(1910-1992)はアメリカ生まれの作曲家。
音楽に目覚めたのは遅く、二十歳のときに行ったニューヨークフィルのコンサート。
が、そこからエネルギッシュに音楽の道を突き進みジュリアード音楽院長や
リンカーン・センター長にまでなってしまった人である。

交響曲は10曲(2曲破棄)ありこれが彼の作曲活動の中心。
後半の交響曲は「理知」の部分が勝りやや難解な印象を与えるが、
この第3番は「情と知」の融合が素晴らしくアメリカが生んだアメリカらしい
交響曲のベスト1ともいえるものだろう。
活力と意志、瞑想と調和、ダイナミクスとリリシズムが見事にブレンド。

作曲年 1941年
パート1: パッサカリア-フーガ
パート2: コラール-トッカータ

曲は大きく二つのパートに分かれそれぞれがまた二つに分解される。
パッサカリアはゆっくりとした弦からクールで厳かなテーマを呈示する。
順番に楽器を重ねながら大都会の響きが交錯するようになる。
そのままアタッカでフーガに突入。リズムとパワーを更新しながら展開。
憂いを秘めつつも終結に向かって重厚さと輝かしさを増してダイナミックに終える。

パート2は再度弦の優しい慈しむようなテーマから始まる。
その後トランペット、そしてフルートに受け継がれていくが、
摩天楼の静寂を表象しているよう。この部分は本当に美しい。鳥肌が立つ。
(ブラームスの交響曲第4番やマーラーの交響曲第3番・第10番の終楽章の
フルートソロを想起されたい)
その後も弦を主体に情熱と悔悟が交じり合ったように進むが、
何か決心したようにブチッ、ときれた音がしたかと思うと小太鼓が鳴り
トッカータの突進が始まる。
(ここのスネアドラムパートはアメリカのオケの入団試験に出る
http://www.youtube.com/watch?v=EGjUDvYgD1Y )
管とパーカッション、弦と主体となる楽器を替えながらスピードと
響きを加えながら圧倒的なフィナーレを迎える。

録音はマンハッタンセンターでのセッションで、広大で量感たっぷりの音響。
フーガやコラールなど教会で発達した旋法を使うこの曲にマッチした音場。
ハイ上がりの録音も音楽の輝かしさを倍加。

演奏は第1部のパッサカリアの都会的な憂いを含んだ滴るような弦から
馬力あるブラス群に移行する過程の輝かしさは目も眩む。
フーガに入ってからのリズム、そして終結に至るティンパニの皮の音の聴こえる妙技。
トロンボーンの分厚いビリビリ音は爽快そのもの。
確かにマンハッタンのビル群に木霊するような音。

第2部のコラールの荘厳なムードの中トランペットが朝日のように射し込む。
その後に続くフルート(ジュリアス・ベーカー)の神々しさ。
トッカータはスネア・ドラムで進攻開始。(このドラムの音がまた良い!)
終結に向かい音が重なり突き抜けるドラムに引率され勢いを増し
ファンファーレの嵐。怒涛の終結。
この時のニューヨークフィルは名手揃いでそれを堪能できる。

Ⅰ 6:55  6:47  Ⅱ 9:55  7:37  計31:14
演奏 S  録音89点

コメント

この盤懐かしい。紹介されていてうれしいです。
バーンスタインのホットな指揮ぶりが目に浮かびますし、名曲だと思うのでもっと広く知られるべきですね。
バーンスタインfan さん
ありがとうございます。
私はこのLPを盤が擦り切れるほど聴きました。
(この表現はSP時代のものでしょうが 笑)
リズムセクションがずっと頭から離れませんでした。
人それぞれ出会いの盤がありますね。

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