クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューマン 交響曲第2番 バーンスタイン(85)

2013.01.22 (Tue)
バーンスタインシューマン2VPO
バーンスタイン/ウィーンフィル(85、DG)は深く凄味がある。
彼のこの曲への愛情の傾注、集大成を感じる。
シノーポリはこのオケと83年に名盤を生み出しているが、
やはり指揮者の格とか年輪の差を感じさせる。
精神分析医の診断などぶっ飛ぶ。今回聴き比べてその凄さを再認識した。
当方所有のCDは当初のカップリングのチェロ協奏曲と。
はっきりいってこの第2番だけでも十分。

録音はムジーケフェラインでのライヴ。低域からバランス良い。
客席ノイズは例によって聞こえない。

第1楽章の冒頭から美しいソノリティ。弦に木管が絡むときの絶妙なバランス。
主部に入る時の自然な展開などやはりこの指揮者は素晴らしいことになった。
要所要所で音楽を締め、訴える。
図太く充実した音で荒れないが、眼光は鋭い。これぞ大人の迫力だ。

第2楽章もシンプルなスケルツォに堕してない。
スフォルツァンドが見事で、自在な緩急は大家のそれだ。

第3楽章は昔からバーンスタインの得意な楽章。
これにウィーンの美しさが絡むのだから圧巻。
14分弱というチェリビダッケを上回る最長不倒だが、内的充実がある。
じわじわ高揚していく頂点では息苦しいほど。
特に6分から始まる歩みは心理戦。耐えに耐える静かだが不屈の魂。
こうなるとブルックナーのアダージョも真っ青。
息もできない終結。

終楽章は解放の音楽だ。前楽章の重さに圧迫された気持ちが救済される。
そうか、そうだったのか、と合点がいく。
活力が漲り喜びにあふれる。しかしそれは単純な解決ではない。
不安はある。苦さもある。しかしそれでも前進する逞しい精神の気高さ。
力強いティンパニを伴う終結に大感動。

この演奏を聴くとこの曲はベートーベンの「運命」を超えているのでないかと思う。
シューマンの器を大きくはみ出しているのかもしれない。

12:59  6:59  13:47  8:45   計 42:30
演奏  S   録音 91点

コメント

名演
本当に久しぶりに聴きなおしましたが、
「極上の絵具で大きなキャンバスに力強く描かれた油絵」
といった趣きを覚えます。

この演奏を「情に傾き過ぎ」「主観的過ぎる」という声も
あるでしょうが、ここまで立派な音響の上に描かれている
のだから、文句は言えないと思います。
シューマン
晩年のバーンスタインは密度が濃いので聴く前は気構えが必要ですが、聴いた後は感服することが多いですね。

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