クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第10番(アダージョ) バーンスタイン(74)

2013.01.06 (Sun)
バーンスタイン8&10
バーンスタイン/ウィーンフィル(74,DG)はアダージョのみで
DGの三度目の全集に組み込まれているが、二度目のユニテル音源と同じもの。
このアダージョにバーンスタインは未完成作品として接していたと思うが、
その距離感がかえって灰汁を弱め、純粋な美しさをもたらした。

録音はウィーンソフィエンザールでのライブ録音。
アナログでヒスはあるが、広い音場で艶やかな弦の音色が再現される。

演奏は、アンダンテから始まり、ゆったり潤いのある弦とホールトーンが
退廃的なムードを醸し出す。
ニューヨークフィルとの次年の録音とはかなり印象が異なるのは、
録音条件とオケの差だろう。
自然体の中に熱い情感がこもっているのは、ライブということもあろう。
バーンスタインの唸りが時折聞え、そのたびに弦圧は微妙に強くなるが
美感は損なわないところがウィーンの自己抑制。
80年代に演奏していたらもっと没入型になったかもしれないが、
一定の客観性があって音楽に浸れる。
後期ロマン派に軸足を置きながらもその終焉を感じる音楽。
最後の弦のピチカートが、もう終わりですよ、と言っている。

25:57
演奏  A+  録音 88点

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