クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第6番 カラヤン(77)

2012.12.08 (Sat)
カラヤン悲劇的
カラヤン/ベルリンフィル(75・77、DG)は絶頂期のカラヤン。
小手先でない問答無用の凄味。カラヤンは「綺麗なだけ、中身がない」と
昔いわれたことはあるが、この演奏を聴いているとそんな言葉こそが虚しい。
このような演奏のできるコンビがいかほどあるのか?

録音はベルリン、フィルハーモニー。
音は比較的近く拡散しがちなこのホールの録音の中でも良い。
CDのリマスターもよくマス&パーツがバランスよく再現される。
セッション録音の良さが出る。アナログ最終期の優秀録音。

第1楽章冒頭の弦の刻みは、こちらの期待通り。
鋼のようなしなやかなのに強靭なアタック。テンポも少し前傾で引き締まる。
楽器のバランスが見事で統率感が気持ちいい。
正面突破で行くぞという覚悟のある音。また、それができる技術。
表情を変えず黙ってあたりをなぎ倒すこの凄味。
終結のドスとパンチには痺れる。

第2楽章のスケルツォも低重心で迫る。アクセント・ピチカートなども力感あり。
しかもうるさくない。

第3楽章は包み込むような優しさ。これまでの音楽との対比が激しく効果的。
こうなると、やはりアンダンテは第3楽章に持ってきた方がよい、と思ってしまう。
しかし、ただ優しいだけでなく男性的な逞しさも併せ持つ。

終楽章も以前だったらもう少し芝居っ気を出してほしいと思ったかもしれないが、
今はこの整然と突き進むこの迫力に負ける。
わめき散らし絶叫するタイプの演奏とは一線を画す。
テンポは一直線ではなく音符の少ないところでは溜めている。
どんな場面でも弾力性ある弦が威力を発揮。ゆえにラッパが飛び出し感がなく
浮つかない。音はトランペットというよりラッパなのだが・・・。
最後の最後までゆるがせにしない。安定感ありすぎるかもしれない。
しかし、それが生ぬるくない。
私はマーラー=バーンスタイン世代。遅れてきたカラヤンを胡散臭いとも思った
ものだが、完全にその思いは払拭されている。

22:20  13:24  17:10  30:03   計 82:57
演奏  S   録音 91点

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