クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第2番 アバド(76)

2012.11.11 (Sun)
アバド 復活
アバド/シカゴ交響楽団(76、DG)は均衡と熱気。
75年のメータ/VPOがスペクタクル、63年のバーンスタインが破滅志向というならば
ここではアバドの独特の個性が見て取れる。
それが優等生一辺倒で終わることもあるがこれは両立している。
このあと、アバドは92年、03年にこの曲を再録音している。
65年のザルツブルグで大評判になって以来この曲とは相性がいい。

録音はメディナ寺院で自然な感じ。同時期のDECCAの同じ場所の録音に比べると
落ち着いた音に聞こえる。しかし、スケール感など不足はない。

第1楽章の冒頭はこけおどしでないスムーズな入り。
その後も当時流行っていたぎらぎらした感じはなく清らかで丁寧。
しかし奈落の音楽あたりから異様に熱気を帯びてくる。
そして没我に陥る手前で正気に戻る。しかし、目は異様な光を湛える。

第2楽章は独特な歌を持つ。これはオペラ的というかイタリアの感触。
原曲の歌曲を彷彿。テンポは抑揚の中で揺れる。

第3楽章も前楽章と同様の印象。ユーモアのセンスが光る。

第4楽章のアルトのマリリン・ホーンは声量豊かな素直な歌。

終楽章はシカゴの金管の威力を見せ付けられる。輝かしくも壮麗。
間然とするとこがない。この音響の整然とした凄さ。
ただし、アバドは熱狂はしていない。ただ、第1楽章同様、
スタジオ録音だが中途から乗ってくる。
これはテンポ速まりと連動しているようだ。
そして終結はまた壮大なのだがクールな目が戻ってくる。
冷静と情熱の間を彷徨う演奏だ。

20:47  10:03  10:33  5:08  34:31   計 81:02
演奏  A  録音 91点

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