クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第6番 フィッシャー(05)

2012.10.02 (Tue)
フィッシャー6
イヴァン・フィッシャー/ブダペスト祝祭管弦楽団(2005,channelclassics)は
高次元で均整のとれた演奏。
注意深く聴くと多彩な表情が織り込まれていること、そして風貌も含め
パーヴォ・ヤルヴィと似たものを感じる指揮者だ。
この演奏は彼のマーラー初録音だが実演を重ねて練り上げられたもののようだ。

またこの指揮者によって1983年に設立されたこのオケは2008年、イギリスの
「グラモフォン」誌の世界オーケストラ・ランキングで第8位となるなど
急成長している。確かにこのCDを聴いていても弦をはじめとして
欧州調の良いオケだと思う。

録音はブダペストのPalace of Artsでのセッション。
自然で適切な音場、距離感。対抗配置もよくわかる。

第1楽章は迫力と抒情性をうまくミックス。
テンポは標準的だが、17分あたりの歌う場面になると途端に美しいメロディに
たっぷり時間をかける。

第2楽章はアンダンテ。この指揮者はこうした楽章が巧いのだろう。
少し潤んだしなやかな音楽がトロトロ流れる。

第3楽章はスケルツォだが荒々しくならず繊細な意匠が凝らされている。
フレーズや各楽器の表情の一つ一つに指示がいきわたる。
これほどこのスケルツォを入念に演奏したものを知らない。

終楽章も最初は慎重な歩みだが徐々に力感と立体感が目立つようになる。
あからさまな仕掛けでなく、少しずつ細工を積み上げる。
左右の弦の美しい掛け合い、金管のちょっとした突出。
どんな時も決して安易に流さない。力まない。
ハンマーに至る過程も周到(2回)。
緩急の振幅はあるがその変更が極めて自然。

と全曲聴き終わって感心するのだが頭で聴いてしまっている自分がいた。

22:23  13:43  12:52  29:23   計 78:21
演奏  A   録音 93点

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