クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第3番 テンシュテット(79)

2012.09.15 (Sat)
テンシュテット全集
テンシュテット/ロンドンフィル(79、EMI)の指揮者は面白い。
見た目は学者風のインテリなのだが、音楽は誠に粗く激しい。
この演奏は両端楽章の表現の方向性が極端に違う。

録音はキングスウェイ・ホールでこのシリーズのアビーロードでの録音より良い。
しかし、音場は広いわけではない。
今回全集は、79年のデジタル・セッションだが、以前購入した盤より
リマスターが改善されている気がする。音の詰まり感が少なくなっている。

第1楽章冒頭のホルンの吹奏はやたらハリのある音。そのまま力の漲る音楽が続く。
やや粗暴ともいえる元気さ加減。劇画タッチで物語が進行。
「夏の行進」だからそれでもいいのだが、
この長大な楽章の中にも元気さだけでない、メソメソ感も潜んでいるはずなのだが
テンシュテットは一本調子。あまりに大づかみすぎないか?
世評の高いテンシュテットのマーラーに今一つ心酔出来ないのは、
オケの扱いも含めたこの雑な感じなのかな、と思ったり。
それでも、メリハリの効いたこの音楽は確かに楽しい。
この演奏のこの楽章に題をつけるなら「牧神」ではなく
『無頼漢がやってくる』だ。

第2楽章もデリケートな雰囲気よりも活力を重視。
オケは相変わらず粗いのは微笑ましい。

第3楽章の前半は相変わらずだが
ポストホルンはやたら距離感があり不思議な雰囲気を演出。

第4楽章のアルトは無難に切り抜ける。

第5楽章の少年はこれまたやや遠い。澄み切っっていないのは録音?

終楽章。この曲の勝負はこの楽章でつく。
テンシュテットは20分という速めのテンポ。
しかし意外にもセンスがいい。
美感はそこそこだが儚げな風情がにじみ出る。
底流にある情熱が最後の最後にティンパニの強打に出る。

33:16  10:41  18:57  9:54  4:17   20:46  計 97:51
演奏 A-   録音 90点

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