クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第3番 シノーポリ(94)

2012.08.25 (Sat)
シノポリ3
シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(94、DG)はこのコンビの全集のトリ。
長閑で夢幻的というよりより現実的な響き。

録音はロンドン、オール・セインツ・チャーチでの優秀録音。
解像度・帯域ともに良好。音場も広すぎず狭すぎず。
なお、シノーポリは両翼配置なのでコントラバスのゴリゴリ音は左方向から。

第1楽章は快活なテンポ。各パーツのコラージュのような不思議な楽章を
取り繕うことなくそのまま提示。何か意味深な物語を語ろうという感じであなく、
素材を新鮮なまま置いていく。バーンスタインに比べると紋切り型進行。
フィルハーモニアの特性もあるが音色自体は無色透明。
ということで、牧神の存在を感じさせることなく煌びやかに終了。

第2楽章は一転センチメンタル風。
「風」というのはほんとに心からそうなのかわからないそっけなさも感じるから。
弦の表情(音圧の上下)などが堅い。

第3楽章もさっぱり、しかし力強い。
ポストホルン部分はテンポを遅め清らかなラッパが鳴る。

第4楽章はハンナ・シュヴァルツのアルト。
この楽章には11分かけて音を持続させる。歌唱はヴィヴラートを抑える。

第5楽章も音ははっきりしている。

終楽章はシノーポリの唸りも聞える熱演。
この楽章は大きな波動、呼吸感が特色。
ただ、バーンスタインの旧盤で仕込まれてしまったあの息遣いと
ややタイミングが違うのでこちらは今一つ乗り切れない。
これはシノーポリが悪いのではないはず。
音楽体験における刷り込みというものだ。
それでも最後は感動的。

シノーポリ初期のいじくり倒すマーラーでないのは好感。
ただし、もう少し夢を見たかった、というのが感想。

32:22  10:41  18:21  11:04  4:07   22:56  計 99:31
演奏 A-   録音 94点

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