クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

モーツァルト 交響曲第41番 フェルツ(2005)

2012.08.20 (Mon)
フェルツ41
フェルツ/シュトットガルトフィル(05、Dreyer)は企画・演奏が面白い。
まず、このアルバムのカップリング。
 1曲目がR・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」
 2曲目がリゲティの「アトモスフェール」
 3曲目が「ジュピター」!
前2曲なら「2001年宇宙の旅」だが、この映画では木星(ジュピター)探査は
ミッションとして登場するが、モーツァルトの音楽はでてこないはず…。
(フェルツ自身のコメントには映画を意識している風の話は出てこない)

また、曲に合わせて編成と使用楽器、さらには録音方針まで変えている。

次に演奏だが、20世紀の曲(名演)は極めてロマンティックに鳴っているのに対して、
モーツァルトは爽やかで先鋭。モーツァルトの革新性、現代性が浮き彫りになる。

私はこの若い指揮者の「アルプス交響曲」(02年録音)で注目したが、
このアルバムを聴いてますます興味を持った。
単に奇策を弄するのでなく、音楽自体が主張を持ったしっかりしたものだからだ。
この1971年生まれの若いドイツの指揮者から目が離せない。

録音はグスタフ・シーゲルハウス(またはStiftskirche Stuttgart)での
セッション。このアルバムは通常のCDのほかにデジタルdtsサラウンドの
ボーナスCDがついているほど音響にこだわっているようだが、
通常のCDで聴く限りいじくりまわしておらずまっとうな音。

第1楽章はリゲティの曲が静謐の中に終焉を迎えた後、突然始まる。
これはなんともショッキングな開始だ。
何事もなかったかのように軽快な運動を見せる。
オケを絞り込みピリオド奏法で、変な力みがない。
インテンポで10分そこそことリピートありの演奏としては最速クラス。
音量の上下は意識的に行われる。

第2楽章もそそくさと進むが念を押すようなアクセントが面白い。

第3楽章は自然体。

終楽章も重厚さはなく疾走する。リピートせずに一気に終結に向かう。
若武者のように突き進むが、オケはしっかりコントロールされ粗っぽくない。
知性と曲者ぶりを見せつける。
ひょっとしたら、この指揮者は今後マゼールのような
鬼才ぶりをどんどん発揮するかもしれない。
彼の挑戦に期待したい。

10:10  6:55  4:20  5:55   計 27:20
演奏  挑A   録音 91点

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