クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第5番 バーンスタイン(87、プロムス)

2012.07.26 (Thu)
バーンスタイン5プロムス ←当方保有盤 最近の盤→バーンスタイン5プロムス2
バーンスタイン/ウィーンフィル(87,FirstClassics)は9月10日のロンドン・プロムスでのライブ。
数日前のDG盤と演奏時間はほとんど変わらないが、なぜか受ける印象はこちらの方が強烈。
この演奏はよく知られており数種の非正規盤が存在するが、
最近は正規盤化?して音質も良くなったというので紹介したい。

録音はこの手のものとしては非常に良い。
場所はロイヤル・アルバートホールで響きをたっぷりとりこんでいる。
マスであり個々の音の近接感はないため全体のうねりを聴くことになる。
ホールが一体となって鳴る音のスケール感ではDGを上回る。

第1楽章の遅さはDG盤同様だが、より熱いものが感じられる。
プロムスという雰囲気も手伝ってか一つ一つのフレーズは思い切りのいい
エグリが効いている。

第2楽章もくどいぐらいに迫真性がある。何かの映画かドラマを観劇しているよう。
音楽が伸縮しながら生起を繰り返す。緩急の差はDG盤より激しい。
演奏時間はややこちらが短いが表現の彫はかなり違う。

第3楽章も美しさではDG盤だが押しの強さ、アクセントの強さではこちらだ。
夜想曲ではなくもっと張りのある舞踏が繰り広げられる。

第4楽章はザルツブルグの時ほどメロメロでなくDGに近い。
それでも甘く濃厚でレトロ。

終楽章は最初は響き成分も手伝って流麗に進む。
よく聴くとバーンスタインらしい抑揚があり弦が猛烈に歌っている。
5分過ぎころからは力感が昂進する。ライヴらしい開放感でオケが唸る。
美感と力感が交錯。流石ウィーン。会場全体がゴーゴー鳴る。
終結に向かじりじり高揚。
この中に身を置いていたら音響の奔流でもみくちゃにされるはずだ。
最終音が鳴りやまぬうちに、かぶさる喝采は止むをえない。

さて、録音の綺麗さではDG盤なのだが、感銘はプロムス盤が強いのはなぜか。
プロムス盤の方が
 ①音のハリが強く、アタックも強固。
 ②テンポの伸縮がより大胆でいざとなれば前のめりのアッチェレランドがかかる。
 ③アルバートホールがオルガンのように鳴る。
 ④各奏者が自発性が顕著でリスクテイクしている。
などが感興増幅の要素としてあげられるが、以上は言葉で書いていると虚しい。
つまりは、観衆を前にした一発勝負、真剣勝負の雰囲気が
演奏者を奮い立たせ、聴衆がアドレナリンを放出し返す、それがまた演奏者を興奮させる、
の循環が起こっていたのだ。

14:07  14:30  18:28  11:16  15:03   計 73:24
演奏  A+   録音 88点

コメント

お邪魔します。先日コメントさせて頂いたのはこの音源です。この録音にはライヴ演奏の良い一面が出ているように思います。この頃は既にバーンスタインは体調が良くなかったはずですが、最後の輝きのひとつかもしれませんね。
いつもほとんどコメントなどしませんが、安曇野さんのページはとても好きで楽しみにしています。音楽のブログもたくさんありますが、私にとって最もわかりやすく、そして共感できるのは安曇野さんのページです。
ブログを続けるのも容易なことではありませんが、どうか末永く投稿して頂けますようお願いします。
御礼
リベラ33様
過分なお言葉ありがとうございます。
仕事が終わった後の気分転換として、
ビジネスを完全に離れて自分への
備忘録として書きためています。
しかし、カウンターを見ますと
多くの方が寄って頂いているようです。
読み返すと赤面モノもありますが
素人の趣味としてご容赦頂ければ幸いです。
また、皆さまからのコメントは
とても参考になりますので、今後も
お気軽に投稿下されば有り難いです。

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