クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューマン 交響曲第1番 ヘレヴェッヘ(06)

2012.07.16 (Mon)
ヘレヴェッヘ13
ヘレヴェッヘ/シャンゼリゼ管弦楽団(06、Harmoniamundi)は
これほどストーリーを感じた演奏はない。
交響的な素晴らしさならより立派な演奏は現代オーケストラでなしえている。
しかしヘレヴェッヘの挑戦は古楽器の特称を出すことではなく、
心の移ろいを丁寧に追うことだ。
分析的にならないのはセンスの良いからだ。

録音はミュンヘンのヘルクレスザールで量感のあるロマン派交響曲に
ふさわしい音。生々しいがとげとげしさはない。

第1楽章の柔らかい太陽の陽射しからを浴びて徐々に
湧きあがる生命や喜びがとてもいい雰囲気で表出。
むき出しの感情でなくエレガントを常に纏っている。
これがヘレヴェッヘだ。
激しいパンチ力ではほかに負けるがこの「雰囲気」は録音も含めて最高だ。
幸福な気分が横溢する。
第2楽章はただ流すアンダンテではない。
それぞれのパーツに細かく目配りをしながらフレーズごとに多様な表情を見せる。
第3楽章へは前楽章で消化されない感情をのこしたまま突入。
見切り発車で突き進もうとするが心には様々な葛藤が・・・。
終楽章は一気に爆発することなく丁寧に綴られる。
こうした抑制の美学は若い時には理解できなかっただろう。
しかし金管の一音とっても音の終わりにかけてクレッセンドさせるなどの
緻密な仕掛けをしながら内的高揚を表す。
炸裂する音響は期待できないがじわじわとした幸福感を味わう。

11:48  6:05  5:46  8:38   計 32:17
演奏  A+   録音 92点

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