クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

モーツァルト 交響曲第40番 アバド(80)

2012.04.19 (Thu)
アバド4041
アバド/ロンドン交響楽団(80,DG)は最高。
「疾走する哀しみ」というイメージを高い次元で表した演奏。
極めて品の良いロマンティシズム。美しい。

この演奏はその存在を知らず中古盤屋で安かったのでついでに買ったもので
まったく期待していなかった。BGMとして何気にかけたが、
思わず引き込まれてしまった。
今まで聴いた演奏全てが粗雑物にまみれていたのではないか
と思われるほどの孤高の美しさ。

アバドはここで、初稿をあえて使っている。
クラリネットがないため暖かさよりもフルートとオーボエが強調され
清冽さと淋しさが支配した演奏だ。

録音はブルー系のトーンながらとげとげしくなく、爽やか。

第1楽章は、淡々とゆっくり流れるが時にため息をつく微妙な表情を見せる。
展開部からはフルートが目立ちきりりと引き締める。
第2楽章は繰り返しを省略するそれまでの慣例に倣う。
端正で繊細な表情が素敵だ。
チャーミングながらふと見せる陰りが何とも言えない。
第3楽章は中間部の木管の掛け合いが際立つ美しさ。
終楽章前楽章までに比べると、疾走する。
弦は引き締まりフルートが哀しみを表出する。
前半の繰り返しはするが後半のリピートは省略し、
一気に終わるのはこの演奏の悲劇性を高める。

演奏・録音ともに同じ方向に向いたすばらしい演奏。
この曲のマイベスト。

8:35  8:36  4:38  6:48   計 28:37
演奏  S   録音 92点

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