クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第5番 スクロバチェフスキー(96)

2012.04.06 (Fri)
スクロバブル5
スクロバチェフスキー/ザールブリュッケン放送交響楽団(96、ARTENOVA)は
重厚ではないが手練を尽くした名演。音の捌きが抜群。
この錯綜する交響曲をさらりとこなす。

録音はザールブリュッケン、コングレスハレでのセッション。
低域がもう少し欲しいが爽やか系の音響。響きは十分。

第1楽章はもたれず進行。音符が多くなるとやや加速する。
それにしてもこの人が振るとシルクのように音が解けて全てのフレーズが
絶妙なバランスで迫ってくる。
したがって、フォルテッシモでも音がダンゴにならず、解像度が抜群。
ドシン・ドカンとした無骨な音にはならない。
また、木管が時に浮かび上がるのは指揮者の趣味。
フレーズごとに伸縮する独自の表情はあるが甘ったるくなり過ぎない。
終結はフッと力を抜いてからクレッセンドしてティンパニが硬い音でバン。
第2楽章も森の中を歩いていて、
拓けると朝日が昇る瞬間を見たような高揚感を見せる。
第3楽章の加速と沈静の対比が素晴らしい。
録音のパースペクティブも良いのだが、各楽器が最強音で鳴っても余裕がある。
この指揮者は楽器のワンフレーズにもしっかり神経を通わせているので、
新鮮な発見がある。
終楽章も重くならずに程良い運動性を持つ。フガートの弾むリズム感は独自。
音が重なればなるほど指揮者の分解性能が上がる。
このオーケストラもそれにこたえて万全に反応。
壮麗な終結。
実際は鳴らないがシンバルが似合うと思った。
最後の最後で一芝居。
音量がグッと下がったかと思うと、例の木管大好きでピョロピョロ。
これまた木管大好きのアバドと同じ終わり方。ご愛嬌。

19:45  16:19  13:10  24:01   計 73:15
演奏 A+   録音 91点

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