クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 大地の歌 ウィッグルワース(93)

2012.04.05 (Thu)
ウィッグルワース大地の歌
ウィッグルワース/プレミエアンサンブル(93、RCA)は室内楽版。
シェーンベルグの試みを1983年にライナー・リーンが完成させてから録音が活発化した。
この室内楽版は私は好きだ。
なんと言っても透明感が良い。ドロドロしたマーラーの交響曲を浄化した。

この演奏は全般に絶叫することはないが
押さえ込んだ中に情感を込めているところが素敵だ。
歌もオケもぴったり寄り添っている。

録音はロンドン北東部のスネイプ・マルティングのコンサートホール。
適度な広がりと暖かい音。

第1楽章から絶叫することなくまさに室内楽の音。
テノールのティアーはややくせがあるが寄り添う。
第2楽章のリグビーはメゾ・ソプラノ。
室内楽編では必ずしもアルトが似合うとは限らない。
ソプラノの透明感は捨てがたい。
第3楽章は軽やか。
第4楽章のお祭りは雰囲気が出て面白い。猛烈な加速で歌唱も地声が出る。
その後のゆったりした静けさの対比は絶妙。この楽章はオケは雄弁だ。
第5楽章も緩急の差をつけロマンティックにヴァイオリンが歌い
テノールが表情豊か。
第6楽章は抑制された音楽。歌も叫ばない。
テンポは沈み込む遅さの34分半。
フルオーケストラ版でもこの遅さはない。
特に中間部からが凄い。
フルートの淋しげな独奏から転調してハープを伴いヴァイオリンが歌いだす
12:30からの切ない展開。ポルタメントを効かせ甘いヴァイオリン、管の率直な音、
時に音楽が途切れながら歩む。終結に至る心の高揚と沈静も素晴らしい。

7:56  10:59  3:03  7:21  4:25  34:26  計 68:10
演奏  A+  録音 92点

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