クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第8番 小澤(80)

2012.03.26 (Mon)
小澤千人
小澤/ボストン交響楽団(80、PHILIPS)はこのコンビのマーラー全集の第一弾。
(巨人はDGに77年単独録音があるが全集とは別物)
普通全集を開始する際、この編成の大きなお金のかかる録音は一番最後に
回されることが多いがこれは逆だ。
小澤征爾は1970年にこの曲の日本初演以来2回目の演奏会を行った後、
1975年にはベルリンフィルやフランスでこの曲を指揮している。
1980年は新日本フィルと3回演奏会をやった後ボストンでのこの公演を行っており、
この年はマーラーの8番づいた年となった。
よってかなり読み込みが出来上がっている。
第二部の堂に入った演出はそうした成果だろう。
正直に言って私はこの交響曲の理解者ではないが後半は良いと思った。

録音はボストンシンフォニーホールでもので響きの良いホールだが
さすがにこの巨大な編成を捉える際ピークでは音が窮屈になる。
また、細部の分離をあまり意識した録音ではない。
従って音が重なるところではダンゴ状になる。
ライブ録りとの合わせ技のようなので制約があったかもしれない。

第一部は一貫した勢いで音楽が進められる。
しかし録音の加減かフォルテが単調で表情も一本調子。
常に吠えている感じで勢いで乗り切る。
第二部は指揮者の意志が第一部より出ている。
指揮者の唸りを伴い身悶えするアダージョが進行。
女性合唱による「昇天した子供たち」、「マリアを称える博士」のはっきりした
テノールなど好調。管弦楽もオペラティックな表情だ。
その後の「栄光の聖母」も丁寧。最終区分のテノールは相当張り切る。
終結に向けて音楽が熱してくる。
「神秘の合唱」が厳かに始まるころにはわけは分からないけどじわじわくる。
悠然と広大なスケールで曲を閉じる。
強引に感動に持って行かされる点では「復活」と同じく曲のせいでもあるが、
この演奏の良さを再認識した。

23:07  56:07  計 79:14
演奏  A   録音 88点

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