クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第3番(第2稿、但し、アダージョ1876年版) ヴァンスカ(00)

2012.02.03 (Fri)
ヴァンスカブル3
ヴァンスカ/BBCSCO(2000、Hyperion)はヴァンスカらしい変化球。
使用版がややこしいのだ。
北欧、シベリウス指揮者というイメージのヴァンスカが独墺系レパートリー進出のため
奇をてらったとの見方もできるが、それは演奏を聴けばそうではないことが分かる。

この曲は
①1873年 初稿 ノヴァーク版Ⅲ/1
②1876年 第2楽章のみの異稿
③1877年 第2稿 エーザー版=ノヴァーク版Ⅲ/2
④1889年 第3稿 ノヴァーク版Ⅲ/3
があるが、この盤は第2楽章が②、その他が③という変則演奏。
その意図は作曲者の当初の意図を尊重しながらも①ではさすがに荒削りで長すぎる、
かといって③では「ワーグナー交響曲」の異名を持つこの曲の出自が薄められる。
そこで②を持ってきてしっかり刻印したい、というところではないか。
演奏は第3楽章まで素晴らしい。が最後の最後に不満が残った。

録音はスコットランド・ハディントンのセント・メリーズ教会。
分厚くはないが奥行きと適度な広がりを持つ。

第1楽章は端正ながらしっかり力強い。
第2楽章アダージョはこの演奏の最大のポイント。
21分と保有盤中一番長いがこれは(演奏もゆったりだが)
①が278小節②が251小節③が222小節に対してこの異稿は289小節と
一番長いことに起因する。
聴きどころはなんといっても、後半でワーグナーのタンホイザーの巡礼の合唱の
テーマが奏されるところだろう。初稿にもあった部分だが楽器法を整理したために
より一層明確に浮かびあがるその効果は大きい。
また。音が鎮まった時の儚い美しさもいい。
第3楽章もきっちりした音楽。
終楽章は繊細な表現に気を配るヴァンスカらしさを見せながら進む。
ただ、コーダにかけてのテンポが速く、いろいろ寄り道したあげく
スタコラ状態であっけなく終結、というのはどうして?という気持ちが残る。

20:53  21:03  7:15  13:24   計 62:35
演奏  A   録音 91点

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