クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第2番(1872版) アイヒホルン(91)

2012.01.24 (Tue)
アイヒホルン2&2
アイヒホルン/リンツ・ブルックナー管弦楽団(91、CAMERATA)20CM-195は
キャラガン校訂の1872版の初録音盤。このあとティントナーが録れている。

第2番は概ね以下の版に分けられる。
1872年版 = 初稿
1873年版 = 1年後の初演を前提に改訂された初稿第2版
1876年版 = 交響曲第5番作曲後に2回目の演奏のための改訂
1877年版 = 包括的な改訂でいわゆる第2稿
ノヴァーク版はこの第2稿に準拠、ハースはこれに初稿も加味している。
外形的な大きな違いは1872版はスケルツォが第2楽章に来ていること。
個人的にはスケルツォとフィナーレのつながりが良いので、
この点は後年のほうが良いと思う。

演奏自体はスコアを過不足なく再現しているが、演奏者自身の響きの個性もあり素朴。
ブルックナーのイメージに確かにあっている。

録音はリンツ・ブルックナーハウスでのセッション。残響はあるが少なめ。
それが素朴な印象を助長。

第1楽章は楽譜を忠実に再現。ブルックナー休止も頻繁に登場。
安定的なテンポで時には長閑さを漂わせる。
第2楽章はスケルツォだがパンチのある前後を純朴なトリオが来る。
低弦の動きがユーモラス。1872年版は73年以降の版に比べ反復が多い。
第3楽章となるアダージョ。弦の左右のかけ合い効果も忠実に再現。
金管は図太い音を出す。
終楽章は洗練された響きではないしアンサンブルもやや乱れを感じさせる。
なお、この版は805小節と73年版の750小節、77年版の613小節に比べ長い。
聴いていると耳慣れないパッセージが出てくる。
しかしどこかを当てもなく散策しているような楽曲に聴こえ
必然性が劣るように思えるのは第2稿に慣れ親しんだせいかもしれない。
いや、やはり冗長さは免れない。終わりそうで終わらない。無駄なフレーズが多い。
当時のウィーンフィルの楽員がブルックナーの休止と転換だらけのこの曲断ったのは
やむを得ないし、セクハラ事件まで起こしていたこの作曲者を「完璧な阿呆」と
呼んでいたのは・・・なんとなく頷ける。
そんなことをも真っ正直に晒してくれる演奏だ。

初稿1872版
19:40  10:59  15:42  20:55   計 67:16
演奏  A   録音 90点

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