クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第5番 マタチッチ(67)

2011.12.18 (Sun)
マタチッチ5N響
マタチッチ/NHK交響楽団(67、Altus)は基本ノヴァークで効果を出すときにシャルクになる。
当時のN響というか日本のオケがブルックナーをどれほど演奏できるのか心配だったが、
この演奏を聴くとなかなか立派だと分かる。管に吹き損じなどあるが弦はよい音。
底力や厚みはないが必死で食らいつく熱気はある。
なんといってもマタチッチの自信に満ちた音楽づくりが素晴らしい。

録音は東京文化会館で残響は少ないがクリアな音質。但し、一部で損傷がある。

第1楽章冒頭は極めてそろりと出る。この慎重なテンポは9分くらいまで続き、
そこからは逆にエンジンがかかりスピード感を増す。
冒頭の再現部になるとテンポがまた鎮まる。
チェコフィルとの70年の演奏よりこの対比が激しい。
また、オケの手探り感やホールトーンも相まって無骨な音楽になっている。
終結のアッチェレランドはマタチッチらしいが残念なことに録音上の支障がある。
第2楽章は最初に右チャンネルが暫く不安定なのが気になるが、音楽自体は良好。
残響が少ないこともあり整理された音楽が明確に聴こえる。
但し、オケに音色的な魅力が乏しいので長丁場の音楽はやや単調気味。
第3楽章は素朴なパワーが漲る。トリオ前や終結のティンパニの雷鳴には驚く。
終楽章に入り暫くするとやはり左右チャネルの音がやや不安定に。
一定のテンポで推進しながら弦など美しく歌わせる。
コーダに向かう段階でカットがあったりするがシャルク版ほどではない。
コーダでシンバルが入り、ティンパニが踊るのはマタチッチの得意技。
さすがに感動的な終結を作る。

演奏・録音完全ではないが、N響をこの時代ここまでさせたのはさすがだ。
20:42  19:19  12:08  21:38   計 73:47
演奏  頑   録音 85点(一部難)

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