クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第3番 バーンスタイン(65)

2011.08.06 (Sat)
バーンスタインNielsenS3
バーンスタイン/デンマーク王立管弦楽団(65、SONY)はいまだにこの曲最高の演奏だ。
この盤は1965年のニールセン生誕100周年祭に招かれたバーンスタインが本場のオケと
協演し絶賛を浴びた際に録音された。
このコンビの録音も、そしてバーンスタインのこの曲の録音も唯一のものだ。
演奏はまさにこのLPジャケットのようにひたむきで泥臭い。
この曲の副題は”Espansiva(広がり)"だが、
この演奏を聴くと”Passion(強い情念)"という言葉が浮かぶ。

録音はコペンハーゲンのオデ・フェロウ・パレスで比較的近接したしっかりした音。
oddパレス oddホール

残響の抑制、オケのきしみ音、異様なほどの熱気などあたかもライブのようだ。

第1楽章の冒頭から素朴で力強い音が鳴る。微妙に遅れてロールするティンパニの効果。
低弦の恐ろしいまでの強いタッチ。オケの各パーツは緊迫し、真剣勝負だ。
バーンスタインの汗が飛び散る。
展開部のワルツではオケ全体が巨大な身悶えする。
決して洗練されていないが、格闘する魂がある。
トランペットが魂の叫びのような音を出す。特に楽章最後の天に突き刺す音は忘れられない。
この演奏のこの楽章を聴くたびに鼓動が速くなる。
第2楽章も弦の熱いうねりが続く。それを鎮めるかのようなヴォカリーズが誠に効果的。
第3楽章もここまで張りつめた熱気を持つ演奏を知らない。
北海の荒ぶる海に漂う船。豪快な弦と金管のアクセントと心細い木管の対比。
終楽章は表面は居住まいを正した誠実な音楽だ。
しかし、はち切れそうなのをぐっと堪えている。
スコアをなぞるだけの演奏なら詰まらない音楽になってしまう。
しかし、さすがバーンスタインだ。とめどない滾りがあぶりだされる。
終結は弦が松ヤニを飛ばし、ティンパニがが轟き、トロンボーンが分厚く咆哮。
これを聴かされたデンマークの人々が熱狂したのも無理はない。

11:37  9:50  6:26  9:28   計 37:21
演奏  S   録音 87点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック