クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第2番 メータ(94)

2011.03.22 (Tue)
メータIPO2
メータ/イスラエルフィル(94、Teldec)はメータ3度目の録音。
75年のウィーンフィルとの録音は今でも名盤との誉れ高い。
それに比べると80年代以降のメータはぱっとしない。
(88年にメータは復活をライブ録音しているが未聴)
私はメータ/イスラエルの89年のブルックナーの8番を聴いてから
このコンビの録音に及び腰になっていた。
世間のメータの近時の評判はことごとく芳しくなかった。

しかし、3月20日の日本経済新聞の記事に私は感動してしまった。それによると、
3月11日に発生した東北関東大震災の影響で、フィレンツェ歌劇場公演は
日程半ばで中止に追い込まれ、帰国することになった。
歌劇場の母体であるフィレンツェ市の市長からの緊急の帰国命令が出されたとのこと。

本公演の指揮者ズービン・メータは、
「日本の友人たちのために何も演奏できず、去るのは悲しい」と涙しながら、
「音楽の力で人々を励ます場面が絶対に訪れる信じている」
と危機的状況における芸術の重要性を訴えた。

このマエストロは一人残り空いたスケジュールでせめて日本のオーケストラを指揮して
被災者支援のチャリティーコンサートを開けないものかと考えたが実現は難しかったようだ。

メータは1991年の湾岸戦争時、ニューヨーク・フィルをキャンセルして
イスラエル・フィルと連続演奏を敢行し最後にこのマーラーの「復活」で締めくくったことも
付記されていた。そうなると単純な私はこのコンビの「復活」を聴きたくなった。

録音はイスラエルのマン・オーディトリウムで拡散せずに図太く美しい音。
第1楽章は、冒頭の整然と引き締まったイスラエルの逞しい弦がよい。
その後はもたれないテンポで適度なメリハリ濃淡をつける。まことに好ましいではないか。
第2、3楽章も速めのテンポだがそつない。
第4楽章のアルトのクイヴァーの歌い方は深みが足りないと思う。
終楽章はソプラノの持って回った感があるがオケやプラハから呼んだ合唱団は強力。
一言この楽章の感想を言うなら「真面目」。
多分ウィーンとの第一回録音を記憶する人にとってはあの破天荒さと対比して
面白くない、と思うだろう。
確かにそうだがここにメータの誠実さを感じることも出来るはずだ。

20:35  9:52  10:12  4:56  32:43   計 78:18
演奏  A   録音 91点

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