クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第4番 ロジェストヴェンスキー(92)

2011.03.19 (Sat)
ロジェヴェン14
ロジェストヴェンスキー/ストックホルムフィル(92、Chandos)は全集のトップバッター。
派手さは無いが、録音とともに極めて高次元で音楽的にバランスのとれた内容だ。

この曲は「不滅」と訳されるが、「滅ぼし得ざるもの」の方が私にはぴったりくる。
ニールセンの語る標題の意味は
『生命の本質的な意志、むしろ願望的な意志といった方がいいかもしれない。
音楽は生命であり、音楽もまた「滅ぼし得ざるもの」でる。
この交響曲は偉大な芸術のみならず、人間の魂までもが「滅ぼし得ざるもの」
であることを強調すべく意図されたものである。』
と説明している。
確かに強靭な意志の存在を感じさせるという意味では超然とした「不滅」よりも
「滅ぼし得ざるもの」の方が合致すると思う。

私個人は宗教的には中立ながら、人間の魂は「滅ぼし得ざるもの」と考えているし、
そう考えるようにしている。
魂は、物質的な肉体を離れていても意志として「存在」しそれは人間の死とは別物だと、
思うことにしている。
これが悲惨な出来事に対応するための知恵なのかもしれない。
ニールセンのこの思いは私には大いに共感できる。
そしてこの演奏はこの曲のその意図の再現において最右翼だと感じる。

録音はストックホルムコンサートホールで落ち着いた響きを持つ好感のもてる音。
第1楽章から決してこけおどしにならない立体的な響き。
以前のロジェヴェンとはかなり違う。巨匠風。
第2楽章は古典的な佇まいを持って美しい。
第3楽章は指揮者の唸りを伴う熱演。管弦楽はそれでも均整を保つ。
終楽章は安定的なテンポで表面的な快感の誘惑には目をそむけ堂々とした歩みを見せる。
ティンパニスト二人の名前が記載されているが、これほど音楽的に高度な掛け合いは珍しい。
最後までド派手な効果とは無縁だがこの曲の内的充実を再認識させるに足る深い演奏だ。
ロジェヴェンはこのような指揮者になっていたのか、という認識を新たにしたCD。

11:52  4:59  10:29  9:43   計 37:03
演奏  A+   録音 91点

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