クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第7番 アーノンクール(99)

2011.02.28 (Mon)
アーノンクールブル7
アーノンクール/VPO(99,Teldec)は密やかな美しさに満ちた佳演。
ウィーンムジークフェラインでのライブ。

第一楽章、美しい残響にまとわれた繊細な響きが部屋を満たす。
ノンヴィヴラートで深刻ぶらずにさらりとしているが、
注意深く聴くときめ細かく表情付けを行っている。
それがわざとらしさを感じさせないところに知性を感じる。
盛り上がりは抑制されこの楽章の終結はやや早めにスルリと終わる。
第二楽章はさらにアーノンクールの美学が徹底される。
この葬送曲を重くせず音を伸ばさず切っていく。
出だしの音の角は丸められながらも、独自のアクセントだ。音は常に抑制されて響く。
皆が泣きを入れるところも驚くほど淡々としている。
私はこの曲の1、2楽章があまりにも重く奏されると3、4楽章との
アンバランスが大いに気になるがこの演奏はそうした曲の構成的難点を
逃れようとしているのかもしれない。
当然この楽章のクライマックスでもシンバルは入らない。
では、後半の二つの楽章はどうか。これがまた肩透かしのように流れてしまう。
どうもアーノンクールは、ロマンティックに肥大化したブルックナーに反旗を翻し
疾走する美学を持ち込もうとした。
評価は分かれる演奏だが、私はこうしたチャレンジも好ましく思う。

19:10  20:48  8:53  11:09   計 60:00
演奏 A+  録音 94点

コメント

こんばんは。
ウィーン・フィルのブルックナーということで聴いてみました。
演奏タイム60分ながらセカセカした印象は受けませんでした。
確かにブルックナーの「タメ」はあまりありませんが
オケをしなやかに歌わせているので、物足りなさはありません。
アーノンクールだと「奇妙奇天烈」なことをする恐れ(期待?)がありましたが
これはウィーン・フィルの美感を活かした真摯な演奏だと思います。
影の王子様こんにちは。
バロック・古典で登場したアーノンクールは
かなり斬新な音作りでしたが、
ロマン派では別の面を見せていますね。
それにしてもウィーンのしっとりした弦はいいです。

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