クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第5番 マッケラス(90)

2011.01.23 (Sun)
マッケラス5
マッケラス/ロイヤル・リヴァプールPO(90,EMI)は
明晰なメスでマーラーを再構築。
第1楽章の深刻さでどうなる事かと思ったがその後はマッケラス手法が
透徹しドロドロにはならない。
録音はリヴァプールのフィルハーモニックホールで残響は少ないが
引き締まった低域もある明晰な録音。

第1楽章は冒頭のトランペットが重く、次のフォルテで奈落の底に落ちる。
その後も深刻な表情が強い。流麗さは無い。音楽で慟哭する。
保有盤中でもかなり遅いテンポで打ちひしがれている。
マッケラスがここまでエグリの効いた表現をするとは意外だ。
第2楽章も暗澹たる表情。中間部などとまりそうになる。
しかし、その割には粘着感はなくべたべたにならない。
混濁感がないのは各声部を明快に浮き出させてバランスをとっているから。
ここら辺はマッケラスの手綱だ。
録音のせいもあるがこけおどし的なクローズアップ音響ではない。
第3楽章など楷書的だ。リズムは固く優美というより分析的。
スコアが見えるような。これもマッケラスっぽい。
第4楽章も重厚なのに清潔。
単なる機能性重視の音楽にならないのがこの人の特徴だ。
終楽章も錯綜する楽想をくっきり仕上げる。よって雪崩打つような迫力は無い。
こうなると少し物足りなくなるかもしれない。
テンポはゆったり目で普段は流してしまう弱音部に繊細さを持ちこむこともある
入念な仕上げ。比較的淡泊に終わる。
こうなると第1楽章の深刻さは一体何だったのか。

13:44  14:34  16:15  10:02  15:10   計 69:45
演奏  A   録音 90点

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