クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 大地の歌 バーンスタイン(72)

2011.01.06 (Thu)
バーンスタインIPO大地の歌
バーンスタイン/イスラエルPO(72、SONY)は指揮者2回目の録音。
66年の録音はDECCAに持っていかれたので、バーンスタインのナンバー付マーラー全集を
完成していたCBS・SONYとしては早いところ再録音して欲しかった曲なのだろう。
そうした意味で、レーベル側でも大変な意気込みがあり期待も大きかったが・・・。

録音はイスラエルのマン・オーディトリウムで発売当初のLPはSQ4chを高らかに
うたっていたがハイのピークが荒れた著しく聴きづらい音質だった思い出がある。
第1楽章を聴き始めたところで絶叫するルネ・コロの歌がキンキン響きいやな思いを
したものだった。CD化されてかなり改善されたがそれでもフォルテ部分は余力なくきつい。
思うにSQ4の録音は締まりのないバーンスタインとLSOの「春の祭典」といいよくない。
なお、収録は5月17、18、20とあるが会場のノイズもありライブのような雰囲気の録音
(ライブとは書いていない)。

第1楽章はそんな録音とともにバーンスタインの闘争的な音楽のため相当心して
かからなければしんどい。
第2楽章に入ると音楽が静まり返り聴きやすい。
カラヤン盤に比べると貧相な響きであるのは変わりない。
そんな中で、ルートヴィッヒは落ち着いた歌唱。オケはひとつに解け合うよりも
それぞれのパートがそれぞれの表情を持つ。
第3楽章は単調。第4楽章はめまぐるしい曲想だが、急転して駆け出す場面のオケが
おもちゃのような響き。大人のルートヴィッヒも途中で声色を変えるなど面白さはある。
テンポの較差が激しいのがバーンスタインの特徴だ。
第5楽章は酩酊の音楽だがバーンスタインはここぞと言うときに足を踏み鳴らし
コロに鞭打つ。
終楽章は思いのほかあっさり始まるが音楽の進行とともに深まる。
ルートヴィッヒもカラヤン盤の教科書的歌唱に比べて指揮者の意図に同化している。
抉りの効いた音楽の作りはカラヤンのそれとは大きく異なる。
指揮者の唸りが聞こえる。
音の美しさは明らかにカラヤンだが
録音の悪さやオケの技術を超えた訴えかけがこちらにはある。
但し、これはカラヤン盤との対比の話。
「大地の歌」では他にもっと素晴らしい演奏がある。録音が残念だ。

8:32  10:09   2:57   7:33   4:08  30:12   計 63:31
演奏  B+→A   録音 84点

コメント

DVDですが
このCDは持っておらず、同時期の収録のDVDを持っています。ロンドン響との第2といい、ウィーン・フィルで録画して欲しかった。バーンスタインはかなり神経質そうに指揮しています。変化の激しい演奏ですが、イスラエル・フィルにはハードルが高かった気が・・・しかしながら、全体としては魅力ある映像です。対訳が硬い言葉なのが残念です。
影の王子さん、ありがとうございます
バーンスタインはDECCAのアーティストと比べ録音技術やオーケストラに常に恵まれたとはいえないと思いますが
(本人自身もその点頓着しなかった?)
それでもバーンスタインの刻印をするところが凄いですね。

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