クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 大地の歌 カラヤン(74)

2011.01.05 (Wed)
カラヤン大地の歌
カラヤン/ベルリンPO(73/74、DG)は独唱者二人が72年のバーンスタイン盤と同じなので
聞き比べてみた。指揮者二人の少なくともマーラーに対する取り組み姿勢がまるで違う。
カラヤンは「大地の歌」については早い段階で取り上げており演奏回数もマーラーの中では
一番多かったのではないか。
録音はベルリンフィルハーモニーで華美にならない適度な音が美しい。
強調されないがホールトーンから広めの空間であることがわかる。

第1楽章のルネ・コロは張りのある声であるがバーンスタインのときのような
ヒステリックな感じでなくずっと好ましい。オーケストラの音色も穏やか。
ただでさえ激しい音楽をバーンスタインのようにやられるとさすがにやりすぎの感が出る。
第2楽章のルートヴィッヒは包容力ある安定した歌を聞かせる。ホッとする。
第3楽章のコロはバーンスタイン盤とは違い非常に丁寧な歌いっぷり。
テンポもゆったりで一本調子ではない。
第4楽章の前半の夢見る美しさ、駿馬でかける場面もオケ、歌唱ともに余裕を失わない。
マンドリンの音がここまで目立つ録音も珍しい。
第5楽章の弦の特殊な音の扱いなどカラヤンは多彩に聞かせる。コロは色気を漂わせる。
終楽章は夢見るような演奏。深淵の底に落ちていくと言う感じでない。
東洋的でも妙に厭世的でもない。木管が巧いし綺麗。
全体にオフで流麗な音も現世ぽくはない。ルートヴィッヒはしっかりしている。
しかし、この楽章を聴くとカラヤンの大地の歌が今ひとつの評価を得られないのもわかる。
この大事な終曲に於いて何か決定的に足りてない気がする。
世にいう、美しいだけというカラヤン評は私は好きではないが、
こと、この楽章についてはそうした世評が頭をよぎる。
とはいえ、美しいことは悪いことでは全くない。
最初から最後までの一貫的した方針、レベルの高さではカラヤンに軍配。

8:51  10:05  3:19  7:14  4:22  31:45  計 65:36
演奏  A   録音 90点

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