クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

マーラー 交響曲第7番 シノーポリ(92)

2010.12.30 (Thu)
シノポリ7
シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(92,DG)はかなり独特の雰囲気。
分裂気質に拍車をかけたような演奏。
録音はロンドン・オールセインツ教会で近接でなまなましい音がする。

第1楽章の冒頭は弦が32部音符を明確に刻むため他の演奏と雰囲気が違う。
両翼配置も音響の独自性に加担する。
その後のテンポは基本遅く、更に揺れ、メロディを歌うところではグッと遅い。
しかし、録音の加減もあろうが楽器の分離は明快で、とろける夜ではない。
ここら辺が非常に不思議な感覚をもたらす。人工的な機械仕掛けのロマンティック。
音楽はいじり倒される。
第2楽章以降も同様で、徹底的に曲が分解され今まで聞こえない部分に
ルーぺを当てる。にもかかわらずテンポは急激変化する。
通常、クールな分析的演奏をする人はテンポもクールで一貫したものが多いが
シノーポリではアゴーギグが激しい。
第4楽章の第2夜曲はこの演奏の大きな特色。まずは全体のテンポはよろめき
17分半と通常より4分ほど長い。
終楽章は遅くない。快適な流れで音楽が進むかと思うと急ブレーキかけたりで
ギクシャク感はあるがそれは第7番の要素。

聴き終えて何か釈然としないものが残った。
そもそも異形の交響曲を更にずたずたにしたような印象。
ストレートな勢いでも、夜のムードでも、率直な明晰さでも、
意味のある屈折でもなく・・・。どれにも当てはまらない。
心にすっと落ちなかったことは否めない。
24:28  16:57  9:53  17:35  18:17  計 87:10
演奏  A-   録音 93点

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