クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

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ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 テツラフ(2005)

2017.08.02 (Wed)
テツラフジンマン
テツラフ(Vn)/ジンマン/チューリッヒトーンハレ管弦楽団(2005、ARTENOVA)
は新しい時代の名演。古式ゆかしい重々しさはないが、軽やかでチャーミング。

まずはテツラフが特筆。
1988年の22歳の時の旧盤は自筆草稿によるオリジナル譜を用いた快速演奏で
趣向は凝らされていたが、感銘度はこちらの方がずっと上。
やはり17年という時間はヴァイオリンを深めた。ニュアンスにぐっと奥行きが出た。
Christian-Tetzlaff.jpg

また、ジンマンの方も彼の交響曲全集ほどの奇抜・斬新さを打ち出さない。
が、入念かつ気概を持つ。

第1楽章颯爽としたテンポで始まるが軽々しくはなくトゥッティは力感がある。
ヴァイオリンは表情豊かな柔らかい音で旧盤の生硬さとうって変わる。
教科書的な弾き方ではなく積極的に情感を投入してくる。
18:11(~21:40)からのカデンツァは旧盤と同じピアノ用に編曲したものを
ヴァイオリンに戻して弾いている。従って、途中からティンパニが登場するが控えめ。
まあ、こちらの方がさらりとしていてノーマルなのだろうが。

第2楽章は爽やかだ。テンポがもたれずリズムが重くない。
ヴァイオリンの初々しい音色は聞き惚れる。
中音域がしっかりしてきたので高域の美しさが際立つ。

終楽章はソロもオケもイキイキ。
ここでも冒頭句に戻る前に2:05からピアノ版カデンツァがまず挿入される。
ロンドの中でふとセンチに歌うところなどいじらしい。
6:49から二回目のカデンツァをこなして颯爽と終わる。

録音はトーンハレでのセッション。ここは一度行ってみたいホール。
TOZ_Saal.jpg
響きはたっっぷりあるが鮮度もいい。
ヴァイオリンなど耳につく鋭さはなく、オケも抜けよく鳴る。

22:47  8:51  9:10   計 40:48
演奏   S   録音  93点
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