クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 グールド(58)

2017.06.17 (Sat)
グールド1
グールド(p)/ゴルシュマン/コロンビア交響楽団(58、SONY)はめちゃ楽しい。
バッハ+ハイドン+ラテンのノリ。
両端楽章がリズミックで快速、中間ラルゴ楽章がしっとり歌う強烈な対比。
そしてバッハと現代音楽をMIXしたグールド独自のカデンツァ。
正統的な名盤とは言えないかもしれないけど、
この曲が好きな人なら一度お試しをと薦めたくなる。

グールドはバッハのほかにベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲がレパートリー。
特に第2番を偏愛していた。でもこの第1番はグールドにぴったりな気がする。

指揮者ウラディミール・ゴルシュマン(Golschmann, 1893~1972年)は
ロシア系でフランス出身の米国人。ハイドンの交響曲を大量に残しているが、
ここではグールドの音楽を活かしたよい伴奏。
(↓ゴルシュマンとグールドのレコーディング打合せ)
ゴルシュマンとグールド

オケはニューヨークフィルなどの抜粋メンバーによる。
ワルターが振っていた西海岸のそれとは違う。

第1楽章オケが速めのテンポで颯爽と入るが
グールドが入ると一層加速しコロコロと転がる。快速!
タッチはまさにグールドのそれ。ペダルなしのパルス的な刻み。
ただ、会場の響きがあるのでぽきぽき感は少ない。
そしてお楽しみカデンツァは10:31から。
なんと突然主題を用いたバッハの世界でフーガが始まる。
シンプルな世界から重層的なスケールへ。

第2楽章は一転もっとも遅い瞑想的ペース。
オケはしっとり流れそこにグールドの寂しげなピアノがポツリポツリ。
これまた独自の心象風景。

第3楽章はノリノリ。前楽章からアタッカで入り突然視界が変わる。
明るく眩しい。ハイドン的にウキウキする。
2:33からのティコティコのノリの良さは聴きもの。オケの相槌もよい。
こんなラテンの映像とシンクロする。
ピアノの粒立ちの良さが光る。
そして6:09からのグールドのカデンツァ。
ゲンダイオンガク風な混沌の世界から清涼な世界に戻る場面の効果が抜群。
気持ちの良い終結。

録音はニューヨーク30番街スタジオでのセッション。
30番スタジオのグールド
ステレオ初期だが響きをうまく取り入れ綺麗に録れている。
潰れもなく2010盤のリマスターがよい。
(第2番もステレオで入れ直してほしかった!)

12:20  12:07  9:04   計 33:31
演奏 楽S   録音 87点
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