クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

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ベートーヴェン 交響曲第7番 ベーム(77)

2017.05.04 (Thu)
bohm1977bpo.jpg
ベーム/ベルリンフィル(77、METEOR)は重量物が剛毅に白熱する。
非正規盤なのでどうかと思うがベームがノッた時の凄さを味わえる。

これは1977年10月8日ベルリン芸術週間での記録。
ベーム(1894~1981)は70年以降専らウィーンフィルとの演奏、録音が主だが、
私はベルリンフィルもしくはロンドン響との演奏が好き。

このベートーヴェンもそう。
ウィーンフィルとのDG録音や日本での来日公演の記録などが出ているが
こちらの方がベームがストレートに出ている気がする。
ウィーンはベームを以ってしても思い通りにならないところがあったのではないか。
その点、機能的なオケはベームの要求を素直に受け入れている。

この演奏の特徴は
①超重量級で豪快堅固な中に芝居を打つこと
②終結にかけて問答無用な加速をしそのまま押し切る無茶すること。
これはベルリンフィル+ライブということで出来上がった。
真面目一徹なように見えて時にロマンや熱狂に陥る場面がありその意外性に
動かされる。鉄面皮なのに実は人間的であったりすることに気づくような。
Bohm-Karl-21[1975]
第1楽章始まってすぐ気づくのは同年のカラヤン/BPOの同曲の録音と
オケの音が違うこと。指揮者によってこうも違うのか。
カラヤンの演奏も迫力があるがそれは華やかさを纏う。
こちらは重心が一層下に落ち、テンポもどっしりしているので横綱のドスこい調。
軽やかさが無く固く堅い。古楽器群団の軽く俊敏な演奏と全く対極。
にもかかわらず惹きつけられるのはなぜか。
パンパンに膨らんだ風船のような危険な張りを感じるから。
そして弱音部の緊張感。表情は単調でなく緻密な設計がある。

第2楽章はどっしり表面上は淡々。しかし歯を食いしばるような音。

第3楽章はテンポのギアチェンジの落差が大きい。
速めのリズムで始まり、トリオ的な部分で物凄く遅くなりどんどん巨大化。
大芝居だ。

終楽章へはアタッカで入る。最初からエナジーが放射されている。
弦のど迫力。テンポがじりじり速くなり5分過ぎから聴いていて汗が出る。
土砂崩れに遭遇するような恐怖。クライバーより恐ろしい。
終結は頑固親父の癇癪で更に鞭が入る。
鍛えられたはずのベルリンの聴衆も間髪いれずに絶叫。

録音はフィルハーモニーでのライブ。大編成;巨大音場で豪快に響く。
放送音源と思われるのでヒスあるが、慣れれば聴ける。

12:41  9:02  8:16  6:59   計 36:58
演奏   (S)   録音  85点
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